コラム

日銀ETF買い入れ増額の影響 上値も下値も限定的な相場に

日銀のETF買い入れ増額の影響は

 今後の日本株の推移に関して、大きな影響を与えるのが日銀の金融政策だ。はたして今後の相場展開はどうなるのか、カブ知恵代表・藤井英敏氏が解説する。

 * * *
 今秋の相場を見通すうえで最大の懸念は米大統領選にほかならない。勝つのは共和党のドナルド・トランプ氏か、民主党のヒラリー・クリントン氏か、11月の投開票まで予想がつかず、現政権を踏襲する見込みの高いヒラリー氏はさておき、トランプ大統領誕生となれば、従来の主張を外交や軍事、経済にどこまで盛り込んでくるのか、まったく未知数である。

 11月以降の株式市場は予測しにくいが、だからといって今の日本株に手を出すべきではないかといえば、けっしてそんなことはない。国内にとんでもない買い手が現われたためだ。

 日銀は7月29日の金融政策決定会合で、ETF(上場投資信託)の買い入れ額をそれまでの年間3.3兆円から6兆円ペースにほぼ倍増させると発表。中央銀行が毎年6兆円もETFを介して日本株を買う政策の是非はともかく、買い方にとっては超ポジティブな政策だ。何しろ相場環境がどうであろうと、日銀が買い支えるのであれば、下値リスクが激減するからだ。

 とはいえ、金融当局による市場介入で人為的に相場が抑制されて下がりにくくなる反面、株価が上がるとGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)をはじめ機関投資家のリバランスや個人投資家の売りも出てくるため、上値も限定的となる。

 つまり、下がりにくい反面、上がりにくくもなることで日本株のボラティリティ(変動率)は低下し、日経平均株価は当面、1万5000~1万8000円の「ボックス相場」になることが予想される。

※マネーポスト2016年秋号

トピックス

東日本大震災発生時、ブルーインパルスは松島基地を離れていた(時事通信フォト)
《津波警報で避難は?》3.11で難を逃れた「ブルーインパルス」現在の居場所は…本日の飛行訓練はキャンセル
NEWSポストセブン
別府港が津波に見舞われる中、尾畠さんは待機中だ
「要請あれば、すぐ行く」別府湾で清掃活動を続ける“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(85)に直撃 《日本列島に津波警報が発令》
NEWSポストセブン
宮城県気仙沼市では注意報が警報に変わり、津波予想も1メートルから3メートルに
「街中にサイレンが鳴り響き…」宮城・気仙沼市に旅行中の男性が語る“緊迫の朝” 「一時はネットもつながらず焦った」《日本全国で津波警報》
NEWSポストセブン
津波警報が発令され、ハワイでは大渋滞が発生(AFP=時事)
ハワイに“破壊的な津波のおそれ” スーパーからは水も食料品も消え…「クラクションが鳴り止まない。カオスです」旅行者が明かす現地の混乱ぶり《カムチャツカ半島地震の影響》
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月16日、撮影/横田紋子)
《モンゴルご訪問で魅了》皇后雅子さま、「民族衣装風のジャケット」や「”桜色”のセットアップ」など装いに見る“細やかなお気遣い”
夜の街での男女トラブルは社会問題でもある(写真はイメージ/Getty)
「整形費用返済のために…」現役アイドルがメンズエステ店で働くことになったきっかけ、“ストーカー化した”客から逃れるために契約した「格安スマホ」
NEWSポストセブン
牛田茉友氏はNHKの元アナウンサーだったこともあり、街頭演説を追っかける熱烈なファンもいた(写真撮影:小川裕夫)
参院選に見るタレント候補の選挙戦の変化 ラサール石井氏は亀有駅近くで街頭演説を行うも『こち亀』の話題を封印したワケ
NEWSポストセブン
大谷家の別荘が問題に直面している(写真/AFLO)
大谷翔平も購入したハワイ豪華リゾートビジネスが問題に直面 14区画中8区画が売れ残り、建設予定地はまるで荒野のような状態 トランプ大統領の影響も
女性セブン
技能実習生のダム・ズイ・カン容疑者と亡くなった椋本舞子さん(共同通信/景徳鎮陶瓷大学ホームページより)
《佐賀・強盗殺人》ベトナム人の男が「オカネ出せ。財布ミセロ」自宅に押し入りナイフで切りつけ…日本語講師・椋本舞子さんを襲った“強い殺意” 生前は「英語も中国語も堪能」「海外の友達がいっぱい」
NEWSポストセブン
大日向開拓地のキャベツ畑を訪問された上皇ご夫妻(2024年8月、長野県軽井沢町)
美智子さま、葛藤の戦後80年の夏 上皇さまの体調不安で軽井沢でのご静養は微妙な状況に 大戦の記憶を刻んだ土地への祈りの旅も叶わぬ可能性も
女性セブン
休場が続く横綱・豊昇龍
「3場所で金星8個配給…」それでも横綱・豊昇龍に相撲協会が引退勧告できない複雑な事情 やくみつる氏は「“大豊時代”は、ちょっとイメージしづらい」
週刊ポスト
NYの高層ビルで銃撃事件が発生した(右・時事通信フォト)
《5人死亡のNYビル乱射》小室圭さん勤務先からわずか0.6マイル…タムラ容疑者が大型ライフルを手にビルに侵入「日系駐在員も多く勤務するエリア」
NEWSポストセブン