プロ野球界には、常識を覆すようなフォームで活躍する選手が定期的に現れる。昭和(1960~80年代)に活躍した“変態フォーム”の投手を振り返る。
【ワイルド投法】アニマル・レスリー(1986~87年 阪急)7勝5敗24S 防御率3.00(以下同)
198センチの巨漢で、マウンド上で雄叫びを上げるワイルド投法。在籍2年ながら強烈なインパクトを残し、引退後はタレントに転身。
【右の星飛雄馬投法】西本聖(1975~94年 巨人、中日ほか)165勝128敗17S 3.20
左足を高く上げるフォームが漫画『巨人の星』の星飛雄馬(星は左投げ)に似ていた。切れ味鋭いシュートを武器に江川卓とWエースとして君臨。
【背面投げ】小川健太郎(1954~70年 東映、中日)95勝66敗 2.62
1969年、巨人の王貞治に繰り出した奇策。背中側からボールが出てくることでタイミングを外そうとした。ただし、現在のルールではボーク。
【ロカビリー投法】若生忠男(1955~70年 西鉄、巨人)105勝107敗 2.81
打者から背番号が見えるほど上半身をひねってアンダーハンドで投げる様が、ロカビリー歌手の振り付けに似ていた。
【超アンダースロー】高橋直樹(1969~86年 東映、西武ほか)169勝158敗13S 3.32
ボールの握りを見せながらアンダースローで投げるが、制球力の良さで凡打の山を築いた。
【タコ踊り投法】佐藤政夫(1970~1987年 中日、大洋ほか)14勝27敗8S 3.96
クネクネとした動きが「タコ踊り」と称されたサイドスロー投手。長嶋茂雄の現役最後の対戦投手。
【マサカリ投法】村田兆治(1968~90年 ロッテ)215勝177敗33S 3.24
マサカリを振り下ろすようなフォームから繰り出すフォークが最大の武器。現在66歳で球速131キロ。
※週刊ポスト2016年9月16・23日号