《30代の半ばくらいから、「かわいい!」って言われる中に、「若い!」という声が入ってくるようになって。これ違くない?》
そう声を上げたのは、今年50才を迎えた小泉今日子。雑誌『GLOW』(9月号宝島社刊)の連載、対談相手は長年憧れていたフェミニズムの先駆者・上野千鶴子(68才)だった。
2人の話題はウーマンリブ運動や更年期、芸能界まで多岐にわたった。特に盛り上がりを見せたのは「衰えを感じたとき」について。
上野「私、アンチエイジングって言葉が、大嫌いなんです」
小泉「私もです」
上野「『美魔女』とかに出てこられるとね」
小泉「これは抵抗しなきゃと。私は『中年の星』でいいんじゃないかと思ってます」
そして冒頭の小泉の言葉──丁々発止のやりとりが続いた。何才になっても“若く”“美しく”が称賛されがちな風潮の中、小泉はつい先日も雑誌で“どすっぴん”を披露したばかり。そんな彼女を上野はどう見たのか。
「小泉さんは聡明で成熟した女性。最近の多くの50代がそうであるように、彼女も若々しくはありますが、年齢相応に見えました。私が『今まで芸能界でいろいろご苦労なさったでしょう』と言ったら、『私、ヤンキーですから』と不敵な笑みをうかべた。その表情が最高! とっておきたいと思うくらいでした」
また「若い!」は褒め言葉ではないという話題について、こう続けた。
「昔は50代を初老と言いましたね。年を重ねるのは清らかでも美しくもない。だからといって、若い人が羨ましいかと言ったら私はちっともそう思いません。若いということは未熟だということ。未熟じゃなくなるだけでもありがたいことです。若いと言われるより、よい年のとり方をしていますね、と言われたいです。
小泉さんと一緒に年齢を重ねてきたファンは彼女がどういうふうに年をとっていくか気になるでしょう。これからも『中年の星』『老年の星』になっていってほしいですね」(前出・上野)
2人の言葉にうなずきながらも、「若い」といわれるとやっぱりどこかうれしく思ってしまうかも…。それとも若いといわれること自体、言外に「年の割に」という前置きが含まれているようで微妙かな…。どちらにしても難しい問題です。
※女性セブン2016年9月22日号