6月に急逝した鳩山邦夫・元総務相の長男、太郎氏(元東京都議)は自らフリーメイソンと明かした。総理大臣を務めた曾祖父の一郎氏もフリーメイソンだった。フリーメイソンについて回る陰謀論について太郎氏が語る。
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メイソンの基本的な理念は、「善良な人間をより善良にしていく」であり、入会後は、「常に人間として恥ずかしくない行動を取りなさい」と教えられました。私は「徳」に関心があるので、メイソンの理念や実践に非常に共感し、より一層「よき人間をめざす」という気持ちが強くなりました。
実際の活動は月一度の定例会に慈善活動など。歴史的にフリーメイソンは石工集団の流れを汲み、「内々のことは秘密にする」という伝統があるため、私にも話せないことがたくさんあります。
メイソンの集会で政治・宗教の話をすることはタブーとされます。ところが私は6年前の参議院選挙に新党改革から立候補した際、メイソンの集会で選挙用のリーフレットを配ってしまった。その時は「そんなことをしてはダメです」と注意されました(苦笑)。
メイソンには3つの階級がありますが、ぐでぐでしていた私は最上級の「マスター」になるまで入会から8年を費やしました。通常なら1年で昇級できるそうで、周囲からは「8年もかかる人は見たことがない」と言われました。
私自身の今後はメイソンで学んだことも活かして、「徳」を世に広めたい。そのためにタイミングが合えば、もう一度国政にチャレンジしたいと思っています。父からは、「信念のない政治家は政治家ではない。自分の信念を貫ける政治家になれ」と教えられたので、その遺言を守って立派な政治家になりたい。
そのためには選挙に当選しないといけません。選挙と言えば、よく「フリーメイソンは世界を背後で操っている」と囁かれますが、私は8年前にメイソンになり、6年前には参院選にも出馬しています。
もし、本当にフリーメイソンが強大な力を持ち、世界と日本を陰で操る陰謀集団であるならば、私は易々と当選したはずです。私が参院選に落選したことこそ、フリーメイソンが陰謀集団ではない何よりの証明なんです(苦笑)。
※SAPIO2016年10月号