卓球水谷隼選手がメダル2個を披露しガッツポーズ
メダルは金12個、銀8個、銅21個――。リオ五輪で大躍進を果たした日本選手団の中で、ひときわ大きな光を放ったのが、日本男子卓球界初となる銀メダル(男子団体)、銅メダル(個人)と2つのメダルをもたらしたエース、水谷隼(27才)の活躍だった。
「ホントに球は見えてるのって聞かれるんですけど。ちゃんと見えてますよ(笑い)。自分の打った球のスピンの掛け方とコースで、相手が打つ球のスピンとコースがある程度、予測ができますから。もちろんそれは相手も同じで。だから、強い選手、うまい選手との戦いになると、見ている人が驚くほど長いラリーが続くんです」(水谷・以下「」内同)
打たれたら打ち返し、また打たれたら打ち返す。幅1525mm、長さ2740mm、高さ760mmの卓球台を挟んで展開される、息が詰まるほどの激しいラリー。力と力、技と技が交錯する男子の卓球は、「はじめて見た」という人をぐいっと惹きつけた。
「これまで卓球といえば、スポットライトが当たるのは、愛ちゃん(福原愛)、佳純ちゃん(石川佳純)の女子ばかりで。男だっているんだぞというのを見せたかったので、どうだ!っていう気持ちも、ちょっとだけあります」
全日本シングルスで8度の優勝。15才10か月で日本代表に選ばれ、常にエースと呼ばれてきた水谷は、“卓球エリート”“優等生”といったイメージで見られてきた。しかしその素顔は、茶目っ気たっぷりで、いたずら小僧のような一面も持っている。
「中学時代、先輩たちが試合ではパンツをはいていないということを聞いて、それからぼくもずっとノーパンです。スースーしていて気持ちいいし、動きやすいし。ポロリとこぼれたらどうするのって言われるんですけど、見られて減るものじゃないし。まぁ、その時はその時で(笑い)」
こう話した水谷は、メダル獲得後、似ていると話題になったお笑い芸人の波田陽区が、自身のツイッターで、「朝から僕にもたくさんの方々からメッセージをいただきました」と書き込んだ際、すぐさま、「1番似ていたのは10年前ですからぁ~! 残念!! ピークは一緒に過ぎました…斬り」と自身がツイートしたユーモアあふれる画面を嬉しそうに見せてくれた。
撮影/田中智久
※女性セブン2016年9月22日号