芸能

遠藤憲一、生瀬勝久、小日向文世はドラマ「最強の脇役」

『HOPE』に続き、秋ドラマは『Chef』に出演する遠藤憲一

 ドラマを観ていて、つい最近目にしたばかりの俳優が、また違うドラマに出ていて「あれ!?」と思ったことはないだろうか? 近ごろ、ドラマで「かけ持ち出演」が頻繁に見られる。例えば最近なら『重版出来!』『真田丸』『グ・ラ・メ!』の小日向文世や、『重版出来!』『侠飯~おとこめし~』から次の朝ドラ『べっぴんさん』に出演する生瀬勝久、遠藤憲一…といった面々だ。同じ顔ぶればかりがドラマに登場する現象が続いているのはなぜなのか? その背景について、テレビ解説者の木村隆志さんに聞いた。

 過去には、内藤剛志が21クール連続出演、谷原章介が15クール連続出演を記録したことはあるが、最近とにかくよく見るのが“かけ持ち出演”。同クールでのかけ持ちはタブーなのでは? と思いきや、「メインキャストでなければ2つ3つのかけ持ちは可能で、よくあること。同じ時間のドラマ枠への出演以外は、業界のタブーではないです」と木村さんは言う。

 ここ数年、脇役に同じ俳優を連続起用する流れが増えつつあるこの現象は、2013年の『あまちゃん』(NHK)と『半沢直樹』(TBS)からだという。

「魅力的な脇役が大勢誕生したこの2作から、脇役が脚光を浴びる“脇役ブーム”が起きて、それまでは多くて5、6人の主要キャストだけでドラマを回していましたが、ドラマに魅力的な脇役をどんどん入れるようになりました。民放の主演は人気で起用されますから、演技力と安定感のある30~50代の中堅俳優で盛り立てて、作品の質を高めるためでもあります。

 まず強烈なキャラクターや悪役を演じられることと、コワモテや悪役の印象から真逆のキャラクターを演じたときに生まれるギャップの面白さも狙いとしてありますし、ビジネス系も裏社会系もできれば、情けない人や暗い人、中ボスもラスボスもできるなど、幅広い役を演じられる汎用性も要因としてあります。中でも遠藤憲一さん、生瀬勝久さん、小日向文世さんの“3強”は、各局で奪い合いになっているといえます」(木村さん、以下「」内同)

 このように各局に引っ張りだことなる“かけ持ち俳優”の特徴として、木村さんは「演じ分けられる演技力」「複数同時に出演していると感じさせない主張のなさ」を挙げる。例えば、今期『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(関西テレビ)と『営業部長 吉良奈津子』(フジテレビ)に出演していた芦名星については、こう解説する。

「芦名さんが起用されるのは、“普通のきれいなお姉さん”を演じられるからです。同じ時期に複数のドラマに出ていても、そう感じさせず役にすっとはまれる。すごく美人でありながら自分の色を主張するところがなく、役に違和感をもたせないタイプだからこそ重宝されるのです」

 もうひとつ、ここしばらく続いている最近の潮流として、朝ドラからの大量起用がある。

「朝ドラは幅広い年齢が見るため視聴率に結びつきやすいので、民放各局が朝ドラに出演している俳優をこぞって抜擢しています。たとえば、『あさが来た』の三宅弘城さんや山内圭哉さんは、終了直後からものすごくいいポジションで起用されています。

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