コラム

英のEU離脱問題 不安材料出るたびにポンド売られる

英のEU離脱問題の余波はまだ続く見通し

 イギリスのEU離脱局面では円高方向に大きく振れた。その背景と今後の為替動向について為替のスペシャリスト、松田トラスト&インベストメント代表の松田哲氏が解説する。

 * * *
 市場では、円は安全な通貨と思われており、リスク回避の動きが強まると円が買われる。その意味では、今後は、英国のEU離脱(Brexit=ブレグジット)の行方が為替市場の重要なポイントになってくるのではないか。

 結果的に「EU離脱をしても、さほどイギリス経済もマイナスにはならなかった」となれば、落ち着きを取り戻してくる可能性はある。しかし、今のところ、何が起こるかわからないという不安感で市場があおられている面がある。EU離脱を巡ってイギリスにマイナスの材料が出てくるたびに、不安から英ポンド売りが出てくるだろう。

 英ポンド/円に関していえば、ポンド安・円高方向に動くとみている。ブレグジット決定前は1英ポンド=152~155円程度だったが、決定後から8月現在は130~140円のレンジで動いている。方向的にはいずれ130円を割れ、秋口以降に120~130円のゾーンにシフトする可能性が高い。

 英ポンドが下がるのは、対円だけではない。対米ドルでも英ポンド安になる。英ポンド/米ドルは、ブレグジット決定後に1英ポンド=1.4ドルを割り込み、8月現在は1.3ドル前後で推移しているが、秋口以降、1.25ドルを割れていくと考えている。英ポンド/米ドルは将来的には、1985年につけた最安値1.05ドルがターゲットになると考える。今すぐというわけではないが、ブレグジットをきっかけに歴史的な史上最安値を目指す展開になっていくのではないか。

 一般の日本人には、英ポンド/米ドルはあまり馴染みのない通貨ペアだと思うが、英ポンド/円は、米ドル/円と英ポンド/米ドルの掛け算で決まる。この機会に、英ポンド/米ドルもぜひウォッチしてほしい。

※マネーポスト2016年秋号

トピックス

被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
NHKの牛田茉友アナウンサー(HPより)
千葉選挙区に続き…NHKから女性記者・アナ流出で上層部困惑 『日曜討論』牛田茉友アナが国民民主から参院選出馬の情報、“首都決戦”の隠し玉に
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
フジテレビの取締役候補となった元フジ女性アナの坂野尚子(坂野尚子のXより)
《フジテレビ大株主の米ファンドが指名》取締役候補となった元フジ女性アナの“華麗なる経歴” 退社後MBA取得、国内外でネイルサロンを手がけるヤリ手経営者に
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(時事通信フォト)
《「心神喪失」の可能性》ファストフード中学生2人殺傷 容疑者は“野に放たれる”のか もし不起訴でも「医療観察精度の対象、入院したら18か月が標準」 弁護士が解説する“その後”
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと住所・職業不詳の谷内寛幸容疑(右・時事通信フォト)
〈15歳・女子高生刺殺〉24歳容疑者の生い立ち「実家で大きめのボヤ騒ぎが起きて…」「亡くなった母親を見舞う姿も見ていない」一家バラバラで「孤独な少年時代」 
NEWSポストセブン
6月にブラジルを訪問する予定の佳子さま(2025年3月、東京・千代田区。撮影/JMPA) 
佳子さま、6月のブラジル訪問で異例の「メイド募集」 現地領事館が短期採用の臨時職員を募集、“佳子さまのための増員”か 
女性セブン
〈トイレがわかりにくい〉という不満が噴出されていることがわかった(読者提供)
《大阪・関西万博》「おせーよ、誰もいねーのかよ!」「『ピーピー』音が鳴っていて…」“トイレわかりにくいトラブル”を実体験した来場者が告白【トラブル写真】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン