コラム

英のEU離脱問題 不安材料出るたびにポンド売られる

英のEU離脱問題の余波はまだ続く見通し

 イギリスのEU離脱局面では円高方向に大きく振れた。その背景と今後の為替動向について為替のスペシャリスト、松田トラスト&インベストメント代表の松田哲氏が解説する。

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 市場では、円は安全な通貨と思われており、リスク回避の動きが強まると円が買われる。その意味では、今後は、英国のEU離脱(Brexit=ブレグジット)の行方が為替市場の重要なポイントになってくるのではないか。

 結果的に「EU離脱をしても、さほどイギリス経済もマイナスにはならなかった」となれば、落ち着きを取り戻してくる可能性はある。しかし、今のところ、何が起こるかわからないという不安感で市場があおられている面がある。EU離脱を巡ってイギリスにマイナスの材料が出てくるたびに、不安から英ポンド売りが出てくるだろう。

 英ポンド/円に関していえば、ポンド安・円高方向に動くとみている。ブレグジット決定前は1英ポンド=152~155円程度だったが、決定後から8月現在は130~140円のレンジで動いている。方向的にはいずれ130円を割れ、秋口以降に120~130円のゾーンにシフトする可能性が高い。

 英ポンドが下がるのは、対円だけではない。対米ドルでも英ポンド安になる。英ポンド/米ドルは、ブレグジット決定後に1英ポンド=1.4ドルを割り込み、8月現在は1.3ドル前後で推移しているが、秋口以降、1.25ドルを割れていくと考えている。英ポンド/米ドルは将来的には、1985年につけた最安値1.05ドルがターゲットになると考える。今すぐというわけではないが、ブレグジットをきっかけに歴史的な史上最安値を目指す展開になっていくのではないか。

 一般の日本人には、英ポンド/米ドルはあまり馴染みのない通貨ペアだと思うが、英ポンド/円は、米ドル/円と英ポンド/米ドルの掛け算で決まる。この機会に、英ポンド/米ドルもぜひウォッチしてほしい。

※マネーポスト2016年秋号

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