プロ野球界には、常識を覆すようなフォームで活躍する選手が定期的に現われる。それらは奇をてらったものではなく、プロの世界を生き抜くために試行錯誤し、辿り着いたものである。西鉄や阪神で活躍した竹之内雅史氏が、やる気がないように見える「竹之内打法」について語る。竹之内氏の通算成績は、打率.249、1085安打、216本塁打だ。
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私のバッティングフォームの形? 改めて聞かれると答えに困るよ。毎日のようにフォームが変わっていたからね。
最初は普通に構えていたんだよ。なのにど真ん中のボールを打っても内野フライになってしまう。上手くミートする方法がないかとバットを寝かせたら、ボールに一直線でバットが出るようになった。それが変形してバットを担ぐようになったけど、また打てなくなると、猫背でベースに被ってみたりもした。
投げる側としては、過去の対戦データが関係ないから困っただろうね。私がバットを担いで構えると、星野仙一が「やる気ないのか!」とマウンドから怒鳴ってきたこともあった(笑)。
コーチからも「フォームはそんなに変えるものじゃない」「自分のフォームを作れ」と言われたが、216本の本塁打を打った。プロは成績を残せば勝ちなんですよ。
※週刊ポスト2016年9月16・23日号