カープの25年ぶりの優勝が決まり、お祭り騒ぎが続く広島。
「どの店もお祝いの『赤い樽酒』を買いこんで、客にふるまいよるんじゃ。こんなめでたいことはなかなかないけェ、みんなぶち騒ぎよる」(広島在住の50代男性)
カープの前回優勝時に、1軍投手コーチだった安仁屋宗八氏も喜びを隠せない。
「マエケン(前田健太)が抜けた穴を埋めようとチーム一丸となって勝ち取った優勝だ。野村祐輔を筆頭に若手がよく頑張った」
カープ芸人として知られるザ・ギースの尾関高文も上気した顔でこう話す。
「25年間溜まったものがようやく吐き出せた。優勝パレードを上から一目見ようと、パレードが行なわれる予定の平和大通りにある高層マンションが、売れに売れているそうです」
にわかには信じ難い話だが、それぐらい盛り上がっており、まさにカープ一色。他の11球団と比べても、県民の熱狂度は異彩を放つ。
まず目立ったのはファンの「数」だ。今年は球場を赤く染める“カープ民族の大移動”が他球団の大いなる脅威となった。
「今年は神宮やハマスタ、甲子園でもスタンドが真っ赤。昔は敵地の場合、ファンは球場のトイレで地味に着替えていたが、いまは大阪や東京でも堂々とユニフォームを着て電車で球場に来る。赤一色のスタンドでプレーするカープの選手は、実に気持ちが良いでしょう」(前出・安仁屋氏)
※週刊ポスト2016年9月30日号