広島カープの25年ぶりの優勝でファンたちのお祭り騒ぎが続く。しかし、やっかみもあってか、熱狂ぶりに他球団のファンから反発の声も上がっている。長年、Bクラスをともにしてきた横浜ベイスターズファンの50代男性がいう。
「負ける辛さを知っているはずなのに、他球団に遠慮がなさすぎますよ。球場で機嫌が悪くなると、それまで標準語だったのに、ケンカ腰の広島弁で凄んでくるのもやめてほしい。広島弁だとこっちがビビると思ってるんでしょうね。それならたとえ関東に住んでても普段から広島弁で過ごせばいいのに……」
神宮球場を本拠地にするヤクルトファンからも、こんな苦情が出ている。カープファンは、神宮が「第2のホームグラウンド」だと勘違いしているというのだ。ヤクルトファンの50代男性が肩を落とす。
「今年の神宮は1塁側まで真っ赤に染まり、完全にカープのホームだった。弱い頃はコソコソしていたのに、ここ数年で急激にわがもの顔で騒ぐようになった彼らに、いらだちを覚えます」
東京ドームにおける、対戦チーム毎の平均観客動員数は広島戦がトップで、地元のヤクルトや永遠のライバルである阪神より多い。『広島人あるある』の著者でノンフィクションライターの幸部辰哉氏は、「広島ファンは阪神より巨人が嫌い」と指摘する。
「カープファンは、“カネに物を言わせて選手を買い漁る”と巨人を心底憎んでいます。タイガースにFAで移籍したのは許せても、ジャイアンツは許せない。だから巨人を負かすところが見たいと、ドームにも多くのファンが熱心に乗り込んでくるんです」
こうした気質は、広島県出身者も認めるところだ。
「確かに広島県人は地元愛が強く、周りが見えなくなる傾向がある。しかもお祭り好きで喧嘩っ早いので、徒党を組んで口悪く、大騒ぎしてしまう」(40代男性)
※週刊ポスト2016年9月30日号