投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の9月12日~9月16日の動きを振り返りつつ、9月20日~9月23日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は下落。日米の金融イベントを翌週に控えるなか、金融政策に対する思惑等から不安定な相場展開となった。先週末の米国株式相場の急落が嫌気される格好から、大幅に下落して始まった。米早期利上げ観測が再燃するなか、海外勢のポジション調整に伴う売り圧力が主力株を中心に上値の重しに。その後、ブレイナードFRB(連邦準備制度理事会)理事の発言を受けた利上げ観測の後退による上昇を受けた反発もみられたが、米利上げ観測の後退に伴う円高基調から、不安定な相場展開が続いた。また、日銀のETF(上場投資信託)買入れによる需給面での下支えが期待されるなか、市場のインパクトも限られてきており、これが売り方に安心感を与える格好にもなったようだ。
また、国内については日銀が20・21日に開く金融政策決定会合でまとめる異次元緩和の「総括的な検証」で、今後の金融緩和の軸にマイナス金利政策の深掘りを据える方針と報じられるなか、メガバンクを中心に銀行株が軟調。一方で日銀は、国債の大量購入で期間25年を超す超長期国債の購入を抑えることを議論すると報じられており、超長期債の利回り上昇への思惑から保険株が上昇。
今週は飛び連休となるが、3連休明け後の20・21日には米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀の金融政策決定会合が予定されており、日米の金融政策に大きく振らされる可能性がある。週末こそメガバンクは反発をみせていたが、連休を控えての買戻しとみられ、連休明けは不安感が高まりそうだ。日銀の金融会合では、マイナス金利の深掘りが警戒されようが、「三菱東京UFJ銀行頭取は日銀にマイナス金利の副作用検証を要望と」伝えられるなか、今回の日銀会合では現状維持が見込まれよう。また、米FOMCでは9月利上げ観測は後退しており、一先ずアク抜けを想定しておきたい。