9月11日、天皇皇后両陛下は山形県で行われた『全国豊かな海づくり大会』に臨席された。
「8月8日の“お気持ち”表明後、今回が初の地方公務となりました。小学生の作文などの発表があった式典に続き、両陛下は鼠ヶ関港でヒラメやクロダイなどの稚魚を放流され、元気に海へと泳いでいく魚に目を細めていらっしゃいました」(皇室記者)
両陛下は終始笑顔を浮かべられていたが、宮内庁関係者は声低くこう漏らす。
「昨年の『海づくり大会』で、陛下は式典の進行を確認されるという“異例”の行動をとられました。陛下がご自身の老いを強く意識され、生前退位へのお気持ちを加速させたものだともいわれていますから、今回のご出席を不安視する面もありました」
国民的な注目を集めている、生前退位へ向けた皇室典範改正論議。その視線は、次代の皇后である雅子さまにも同様に注がれている。
そんな中、『文藝春秋』(10月号)に掲載された《皇太子ご夫妻への期待と不安》という記事が物議を醸している。執筆したのは朝日新聞で長く皇室担当記者を務めたジャーナリストの岩井克己氏だ。
記事では、記者時代に取材や山登りを通して垣間見えた皇太子さまの人柄、両陛下に比べて活動の少ない皇太子ご夫妻への痛烈な批判が綴られている。その中でも注目されたのが次の言葉だった。
《当初は雅子妃に同情的な声が多かった。しかし筆者は「雅子妃のために皇室があるのではない」と思い、いわば「究極のイメージ産業」とも言える皇室を台無しにしていると、何度か皇太子ご夫妻の言動に対する批判記事を署名入りで書いた》
外務省のキャリアウーマンだった雅子さまは、ご成婚後も国際舞台で活躍し日本の役に立ちたいと考えられていた。もちろん皇室での活動にはそうした一面もあるが、連綿と受け継がれてきた歴史的、伝統的な行事も数多い。
岩井氏の言う《雅子妃のために皇室があるのではない》という言葉は、それでも自らの志を貫かんとする雅子さまへの警鐘だったのだろう。加えて、岩井氏は雅子さまが快復の「途上」であることを改めて示した。
最近、雅子さまのお出ましの機会は着実に増えている。一方で、雅子さまが以前から苦手とされている不特定多数の人と接する場である勤労奉仕団との会釈や、皇后の名代を務めなければならなかった場合を除き、宮中祭祀をすべて欠席している事実を浮かび上がらせた。岩井氏の言葉に「皇后としての務めは、雅子さまには無理なのかもしれない」と心配させられた人も多いだろう。
「今夏の那須御用邸での1週間の静養中、序盤は皇太子さまと愛子さまとご一緒に登山や動物との触れあいを楽しまれましたが、後半になると雅子さまだけが御用邸に留まられるということもありました。やはり“万全”とは言い切れないということでしょう」(皇室ジャーナリスト)
撮影/雑誌協会代表取材
※女性セブン2016年10月6日号