8月、天皇陛下が「生前退位」のご意志を表明された。皇室典範が改正されれば、皇太子妃・雅子さまが皇后になる。それは、そう遠くない未来だ。雅子さまを支えるのが、「オク」と呼称される宮内庁の側近職員たちだ。
宮内庁長官やその周辺にいる事務方の職員を、俗に「オモテ」と呼ぶ。対して、両陛下、皇太子ご一家のプライベートや日常生活のお世話をする存在を「オク」と呼ぶ。
「両陛下に仕えるのがそれぞれ侍従と女官。皇太子ご夫妻には東宮侍従と東宮女官がつきます。仕事内容は、いうなれば公私ともにお世話をする秘書。外遊や地方訪問にも同行し、立ち寄り先の選定や下見、時間配分といったことは東宮侍従が担います。
東宮女官は公務の際の皇太子妃の服装に関することや、私的なおつかいといった用事をすることもあります。電話の取り次ぎや、公務に関する資料集めなども東宮女官の仕事。とにかく多岐にわたります」(宮内庁関係者)
現在、雅子さまのお世話係のトップ・東宮女官長は、昨年7月に就任した西宮幸子さんが務めている。
「2011年1月に前東宮女官長だった木幡清子さんが退職して以来、西宮さんが就任するまで4年半にわたって東宮女官長は空席でした。西宮さんは、2012年に中国大使に任命された直後に急逝した外交官・西宮伸一氏の未亡人。津田塾大学を卒業後、外資系の金融機関に勤めていました。
結婚後は専業主婦でしたが、海外赴任に同行し現地での生活経験も長い。ショートカットの似合うスラッとした長身で、服装もシンプルで洗練された印象を受けます。てきぱきと物事を進めるタイプで、雅子さまと共通する面も多くあるように思います」(皇室ジャーナリスト)
就任直後の昨夏の静養時には、那須どうぶつ王国をご一家で訪れられた雅子さまが、西宮さんと楽しそうに談笑される様子も目撃されている。
「とにかく重要なのはコミュニケーション。雅子さまのお気持ちに寄り添い忖度するといったことが求められる場面もあります。昨秋、12年ぶりに園遊会に出席された雅子さまは深い紫色のお召し物でしたが、“秋色がいいのでは?”と西宮さんと話し合われてお決めになったと聞いています」(前出・宮内庁関係者)
雅子さまについて、健康の面等で不安視する声はたしかにある。それでも、“その日”に向け体制は整い、期待はふくらんでいる。
撮影/雑誌協会代表取材
※女性セブン2016年10月6日号