大塚家具が発表した「家具のリユース」の記者会見に登場した、同社の大塚久美子社長(48才)。その新ビジネスについて説明する久美子さんに、本誌は1年半以上前に日本中を揺るがしたお家騒動についてもいくつか質問した。すると、久美子さんは言葉を選びながらも答えてくれた。
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東京湾を臨む明るいショールームには、白い革製のソファや有名ブランドのダイニングテーブル、クラシカルな布張りのチェアなどが、所狭しと並んでいた。新品以上の輝きを放つそれらは、どれも職人が丁寧に修理し、手を加え、クリーニングしたものだという。価格は元の価格の半分以下…。
9月8日、東京・有明にある『大塚家具』本社で、「家具のリユース」という新ビジネスが発表された。
「創業以来、『大塚家具』は長く愛せる良いものをお届けすることを大切にしてきました。今回のリユースは、従来型のリユースとは異なり、アンティーク家具や、ヴィンテージ家具と同様、職人の高い技術で上質な家具の本来の価値を取り戻したり、あらたな付加価値をつけることで、その時々のニーズに合わせて生まれ変わらせ、新たなオーナーに提供致します。大量生産、大量消費、大量廃棄のファスト・ファーニチャーとは異なる新たな選択肢となります」
そう話すのは同社の社長、大塚久美子さん。この日より、全国で家具の買い取り・下取りキャンペーンをスタート。またこれまでの販売店に加え、10月15日には家具リユースの大型拠点となる『IDC OTUKA アウトレット&リユース 大阪南港』がオープンする。
さらに伊勢谷友介(40才)が代表を務める『リバースプロジェクト』と共同し、リユース家具の開発や、リユースな暮らし提案を行うポップアップショップを展開していくという。
記者会見には業界紙のみならず、ニュース番組の担当者、全国紙記者など、報道陣100名が駆けつけた。あの騒動から1年半以上。創業家一族のお家騒動はこれまでにもたくさんあったが、久美子さんを社長に生まれ変わった『大塚家具』の動向は、今も変わらず日本中の注目を集めている。
騒動の発端は2014年7月にさかのぼる。当時の会長で、久美子さんの父・勝久氏(73才)が経営方針への不満から社長の久美子さんを解任。ところが2015年1月、久美子さんは取締役会で自身の社長復帰の決議を勝ち取り、形勢は逆転する。その後、筆頭株主の勝久氏が久美子さんを取締役から外す株主提案を出したが、会社側はそれを受け入れず、株主総会に結論を委ねた。
「クーデターだ。悪い子供を作った」
勝久氏が記者会見を開き、そう語ったことから、「公開親子げんか」「骨肉の争い」などと報道が過熱していく。さらにその美貌や、華麗なキャリアもあいまって、「血も涙もないお嬢様」「娘が父に歯向かった」などと猛バッシングも受けることになった。
「あの時のことは今でもまだトラウマになっていて、なるべく思い出さないようにしています。一方、あの騒動をきっかけに、大塚家具についての誤解が多く広まっている。騒動の蒸し返しになるのは避けたいのですが、それでも『大塚家具』の社長として、本当のことをみなさまに知ってほしいという思いもあります」(久美子さん、以下「」内は同)