国際情報

なぜ日本人はフリーメイソン陰謀論にハマるのか?

首都・東京にメイソンのマークが隠されているとの主張も

 名前はよく聞くものの、その実態は謎に包まれているのがフリーメイソンだ。東日本大震災発生時も、「フリーメイソンが“地震兵器”で災害を引き起こした」との陰謀論が飛び交ったが、なぜ日本人はフリーメイソン陰謀説にハマるのか。宗教学者・辻隆太郎氏が分析する。

 * * *
 表向きの事実の裏側には、必ず「何者か」による隠された「計画」や「真実」がある。私たちは、その何者かによって騙され、操られているこれが陰謀論だ。

 陰謀論を唱える者は基本的に政府、権威、現状などに対する強い不満を持ち、「今の世界は間違っている」と考える。同時に自らの価値観や考えを無条件に「正しい」と信じ、その正しい考えが世に受け入れられないのは、世界を操る邪悪で強大な「何者か」が妨害するからだと主張する。

 このブラックボックス化した「何者か」に入る格好の団体がフリーメイソンである。フリーメイソン陰謀論によれば、世界中で発生する重大な事件や大災害などはすべてメイソンの仕業とされる。なぜ、そんな突拍子もない言説を多くの日本人が信じるのか。

 そもそも秘密結社のフリーメイソンが誕生した18世紀は自由主義的潮流が勢いに乗る時代だった。旧来の秩序を維持したい保守層からすれば、秘密結社は自らの権威に対抗する危険な存在であり、限定的とはいえ、フランス革命に実際のメイソンが関わったことから、「彼らが革命を主導した」との神話が生まれた。 

 結果、18~19世紀の欧州では、あらゆる社会変革がメイソンを始めとする秘密結社の陰謀と結びつけられた。そうした時代背景のなか、大正期に日本に広まったフリーメイソン陰謀論はユダヤ陰謀論とセットになり、「ユダヤ=メイソン陰謀論」として流通した。この時期、ユダヤ・メイソンは、日本の旧来秩序を脅かす「西洋」そのものの象徴であり、西洋コンプレックスの裏返しとして定着した。

関連キーワード

トピックス

3月末でフジテレビを退職する永島優美アナ(インスタグラムより)
《フジ永島優美アナ電撃退社》父・昭浩氏が明かした「娘の次なるチャレンジ」「ダンスやフルーツ方面」の仕事、「フジ問題との関係」は否定
NEWSポストセブン
19才の誕生日に成年式が開催される悠仁さま
悠仁さま「成年式」は異例の“19才の誕生日に開催”、詳細は“発表がない状態”の不安 進学先の筑波大学の受け入れ体制、小室眞子さんとの関係も難題に
女性セブン
稲田朋美・元防衛相の政治資金収支報告書に疑問視される支出が(時事通信フォト)
稲田朋美・元防衛相、政治資金約156万円で“バレンタイン支出”疑惑 2月にエルメス、バーニーズニューヨークに贈答品代を支出「本当に政治活動に必要か」との指摘
週刊ポスト
れいわ新選組にいま何が起きているのか(山本太郎氏。写真/共同通信社)
れいわ新選組・山本太郎氏、ロスジェネと30代を中心に政界の想定を超えた支持「時代が太郎さんに追いついてきた」「特定の支持母体を持たないのが魅力」…支持者たちの思い
週刊ポスト
日本人歴代4人目のNBAデビューを果たした河村勇輝(23)と、熱愛が報じられた中森美琴(23)
《NBAで大躍進の河村勇輝》熱愛報道のお相手は今も日本で“アイドル活動”を継続、本契約で“海外ゴールイン”の可能性
NEWSポストセブン
オンラインカジノ問題で名前が報じられた山岡泰輔(時事通信フォト)
《プロ野球・オンラインカジノ問題》NPBが恐れる「黒い霧事件」のトラウマ 野球賭博に関連した八百長で永久出場停止など厳しい処分の過去
週刊ポスト
中国の大手SNSでCAを盗撮したと思われる画像が投稿されていた(Xより、提供:@Parsonalsecret)
《全日空CAが標的に…》海外SNSに投稿された乗務中の“盗撮画像”に「マジでキモい」と批判殺到 ANA広報部は「決して許されない行為と捉えています」「2023年より撮影罪で処罰の対象」
NEWSポストセブン
(TikTokより)
「最年長ファンと関係したい」「介護施設にいる人は連絡して」金髪美女インフルエンサー(24)の仰天企画に“高齢者いじめ”と批判殺到《ボニー・ブルーの元盟友》
NEWSポストセブン
鹿児島実業高校サッカー部の監督が“泥沼不倫裁判”
《前園真聖・遠藤保仁らを輩出》名門・鹿児島実業高校サッカー部監督と部員母の“泥沼不倫裁判” 「チュー」「濃厚なの」証拠として提出された“大量の不適切LINE”
週刊ポスト
日本人女性が“路上で寝ている動画”が海外メディアで物議を醸している(YouTubeより)
《真夜中の歌舞伎町、路上でスヤスヤ…》無防備な日本人女性が“路上で寝ている動画”が海外メディアで物議「これが当たり前なのか」「治安がいいからね」
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告と父・修被告
「ホテルへ行ったら、男女のことだから…」田村瑠奈被告と被害者の「ゴムを外したプレイ」を父・修被告が「気にしなかった」と主張する理由【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
路上で下着などをあらわにした写真を繰り返し投稿している女性(Xより)
“156センチ、ぷるるんダンサー”の女性が恵比寿ガーデンプレイスであられもない姿に…施設側が回答「あまりにも品がない」 弁護士の見解は
NEWSポストセブン