カープ優勝に沸く広島。並々ならぬ「地元愛」はよその地方の人にすれば、「排他的」ともとられる。
カープがらみでは、川口和久、江藤智、金本知憲らカープを去る選手が多い中、めずらしく有名選手でカープにきた石井琢朗は最高ともてはやされる。一方、広島出身ながらドラフトで巨人を逆指名した二岡智弘は「非県民」と手厳しい。
「誰もが『カープに入るだろう』と思っていたのに、よりによって巨人を逆指名して広島ファンの怒りを買い、『銭岡』と呼ばれて目の敵になった」(『広島人あるある』著者でノンフィクションライターの幸部辰哉氏)
家電量販店はヤマダ電機よりも、地元のデオデオだ。
「2012年秋にデオデオからエディオンに店名が統一されたが、いまも親しみを込めて広島人はデオデオと呼ぶ。市内中心部ではヤマダ電機など大手家電量販店が競合していますが、デオデオで買う人が多い」(同前)
地元食に対するプライドが高いのも県民の特徴だ。
やはり代表的なのはお好み焼き。山盛りのキャベツにそば、うどんなどの麺類を合わせるのが基本だが、お好み焼きを「広島風」と呼ぶことは断じて許さない。
いまや、「がばいばあちゃん」で“佐賀の人”イメージが強いが、「もみじ饅頭」のギャグで知られるタレント・島田洋七も広島出身だ。そんな彼はこう憤る。
「『広島風』という言葉には、“本物”じゃなくて、“似せている”というイメージがあるので許せない」