夏の疲れが体にじわっと出てくる時期、「なんだかだるい」「すっきりしない」という人も多いはず。そこで豚バラ肉! 疲労回復や滋養強壮に効くビタミンB、血行促進効果のある「ナイアシン」が豊富に含まれ、体調回復にはぴったりな食材なのだ。
豚はいのししを家畜用に改良したものとされる。日本で豚肉が本格的に食べられるようになったのは明治時代に入ってからだが、食用の歴史は非常に古く、紀元前2800年頃にはヨーロッパからアジアにかけて広い範囲で食べられていた。
豚バラ肉には筋肉に蓄積する疲労物質の乳酸を排除し、酵素を助ける働きのあるビタミンB1、血行促進やコレステロール値や内臓脂肪低下に効果のある「ナイアシン」が豊富に含まれる。
脂肪分は多いが、そのぶん腹持ちがよく、満足度も高い。大量に食べたりしなければ、栄養をしっかり摂りつつの健康的なダイエットに有効だ。
「豚バラ肉はとても使い勝手のよい良質なたんぱく源です。とくにしゃぶしゃぶ用肉は野菜と合わせれば脂身も気になりませんし、ほどよい旨みとなって料理にコクが出ます。また、どんな野菜とも相性がよいのもありがたいところ。塩を振って小分けにし、冷凍保存しておかれると重宝しますよ」(家庭料理研究家・松田美智子さん)
塩で肉をやわらかくしっとりと保存し、扱いやすいスライス肉で「塩豚」にする方法を、松田さんに教えてもらった。
≪準備≫
塩にはたんぱく質を変化させる作用があり、豚肉に塩をすり込んで寝かせるだけで、肉質がやわらかくなり旨みも強調される。
≪作り方≫
【1】豚バラスライス肉(しゃぶしゃぶ用肉でもOK)200gは1枚ずつ広げ、塩小さじ1をまんべんなく全体に振る。
【2】ぴっちりとラップし冷蔵庫にひと晩置く。まとめて塩をし、100gずつ小分けにして冷凍保存しておくと便利。
最後に、ピーマンの歯ごたえをアクセントにナンプラーの風味が食欲をそそる『やきうどん』のレシピをご紹介。
≪作り方≫
【1】塩豚50gは2cm幅に切っておく。玉ねぎ1/4個は繊維に沿って5mm幅に切り、ピーマン1個は縦半分に切ってヘタ、芯、種を取り、ワタを削ぎ落としてせん切りにする。
【2】フライパンにごま油大さじ1としょうがのみじん切り小さじ1を合わせ、香りが立つまで炒める。塩豚を加え、色が変わったらゆでうどん1玉を入れてほぐしながら炒める。
【3】酒大さじ2、ナンプラー大さじ1、白こしょう少量で調味し、玉ねぎをさっと炒める。ピーマンを加えて火を止め、皿に盛る。
●松田美智子
家庭料理研究家、「松田美智子料理教室」主宰。素材の味、風味を生かした理に適った料理には定評がある。使い勝手にこだわった調理道具ブランド「松田美智子の自在道具」も人気。
撮影/鍋島徳恭
※女性セブン2016年9月29日・10月6日号