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業績好調のニトリが買っていた“お、ねだん以上”の物件

都心への出店を進める業績好調のニトリ(公式HPより)

 コラムニストでデイトレーダーの木村和久氏が、近頃気になるニュースをピックアップし独自の視点で読み解きます。今回は、着々と都心への出店を進めるニトリを分析。

 * * *
 最近、ニトリの中目黒店がオープンしたので、見に行きました。総合家具・雑貨販売のニトリは、スペースを取る家具の展示がメインゆえ、郊外店が主力でした。それが最近、銀座に出店し、今度は中目黒、年内には新宿にも出店する予定だそうです。『シン・ゴジラ』並みの首都圏侵攻は、いったい何を物語るのか…? まずは中目黒店の現場へ行ってみます。

  中目黒のニトリは、山手通りと駒沢通りが交差する角にあり、非常に交通の便がよろしい。しかも、元はブランド家具店があった場所で、高級品からカジュアルへと、時代の趨勢を感じます。広さは2フロアと、郊外店に比べれば小さいのですが、要所は抑えており、たくさんのお客さんで賑わってました。

 ニトリといったら、やはり10万円以下で買えるソファセットが人気ですが、何セットも展示してあり、しかも貧乏臭くない。別にこれでいいじゃんと思えます。お約束の小物類も充実しており、190円の木製ハンガーの出来栄えは出色です。これを大量に買って、300円ぐらいで卸しても、誰か買いそうですからね。

 以前から家具業界は、高級品とお値ごろ品の、両極端なマーケットと言われてましたが、このところ高級品業界が値崩れし始めてます。お家騒動のあった大塚家具は、騒動が収まっても売り上げが伸びず、とうとう中古販売も始めたとか。そもそも家具って、全部高級品で揃えるのは、限られた人だけができる夢物語で、子供部屋はニトリでいいとか、寝室は誰も見ないから安くしようと、使い分けをします。だから皆さん、どこかしらでニトリなどのカジュアル家具のお世話になっているのが、本当のところでしょう。中目黒の出店も、都心部のお客さんが、近所にニトリがないと嘆いているから要望に応えたそうで、今後、ますます都市型店舗が増えると思えます。

 そんな快進撃を続けるニトリですが、実はびっくりするような買い物を、数年前にしていました。功なりを遂げた企業が、繁栄の証として象徴的な買収をするのはよくあることです。よくあるのは、プロ野球の球団経営でしょうか。近年では楽天の参入やDeNAの買収が話題となりました。ニトリも時価総額1兆2000億円の大企業ですから、球団買収など朝飯前でしょう。でも、それをやらない。代わりに、非常に趣味のいい物件を購入したのです。

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