国内

共産党と赤旗 皇室にすり寄り態度を変えた理由とは

昭和天皇崩御の際には苛烈なタイトルが並んだ

 かつては昭和天皇を「日本歴史上最大の惨禍をもたらした人物」などと苛烈な表現で天皇批判をしていた「しんぶん赤旗」だが、今上陛下がこの8月8日に「生前退位」の意向を示された(とされる)ビデオメッセージの発表については、拍子抜けするほどあっさりと報じている。

 その背景に何があるのか。フリーライターの清水典之氏がレポートする。

 * * *
 8月9日付の「『象徴の務め難しく』天皇が国民に向け表明」では、メッセージの内容を簡潔に伝えるに留め、非常にニュートラルだ。

 他の新聞を間違えて手に取ったかと思うほどで、その記事に続いて志位和夫委員長の意見が載っていたので赤旗だとやっと確認できるほどだったが、〈政治の責任として、生前退位について真剣な検討が必要だと思います〉と述べ、批判の言葉は一つもない。

 以前の共産党なら、「天皇による政治への干渉だ」と非難囂々だったのではないか。共産党の皇室に対する態度は、近年、明らかに変化している。

 たとえば、愛子内親王がご誕生すると、2001年12月2日付で、志位氏は〈新しい生命の誕生は、ひとしく喜ばしいことです〉とコメントしていた。天皇家の子どもだから喜ばしいのではない、と言わんばかりだ。知人に子どもが生まれたときに、もしこんなひねくれた祝辞を述べたら、社会人としては失格だ。

 ところが、時を経て、2006年の悠仁親王ご誕生時になると、2006年9月7日付で、志位氏は〈元気な赤ちゃんが誕生したことは喜ばしいことです〉と述べ、嫌味が消えている。

 2015年元日には、小池晃氏(現書記局長)が、朝日新聞デジタルに掲載された天皇陛下の「新年にあたっての感想」をツイッターに引用している。先の戦争について触れた部分だが、共産党議員が陛下のお言葉を引用するというのは極めて珍しいことで、共産党支持者とみられる人々から批判の声が上がったほどである。

 さらに小池氏は、2014年5月、千鳥ヶ淵戦没者墓苑で開かれた拝礼式に出席し、秋篠宮ご夫妻の長女、眞子様と同席している。共産党の幹部が、“能動的”に皇室と接触したのはおそらく戦後初めてで、これは歴史的事件だ(小池氏はその後も毎年出席し、2015年5月には秋篠宮ご夫妻、2016年5月には常陸宮ご夫妻と同席)。

関連記事

トピックス

希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
NASAが発表したアルテミス計画の宇宙服のデザイン(写真=AP/AFLO)
《日本人が月に降り立つ日は間近》月面探査最前線、JAXA「SLIM」とNASA「アルテミス計画」で日本の存在感が増大 インドとの共同計画や一般企業の取り組みも
週刊ポスト
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト