コラム

今後のJリート市場 海外情勢の影響で大きく売られる局面も

Jリート市場にも海外情勢の影響が

 J-REIT(不動産投資信託。以下、Jリート)市場の好調が続いている。とりわけ外国人投資家が積極的にJリートを買っているが、今年の後半は何に注目するべきなのか。アイビー総研代表の関大介氏が解説する。

 * * *
 Jリート市場での大口の投資家の売買動向は、金融機関(日銀は除く、以下同)、投資信託、外国人投資家で異なる傾向がある。

 今年1~6月までの上半期で総額2239億円(月平均373億円)を買い越した外国人投資家に対し、金融機関は今年上半期だけで総額408億円(月平均68億円)の売り越し、投資信託も上半期は総額1170億円(同195億円)の売り越しとなった。金融機関は利益確定に動いたとみられる。個人の資金を裏付けにしている投資信託は、株式市場低迷で個人投資家がJリートの投資信託を売却して利益確定に動いた影響などを受けたと考えられる。

 仮に今年後半、外国人投資家による利益確定の動きが強まった場合、外国人投資家の売りを金融機関や投資信託の買いで吸収できないと、Jリート市場は下落に転じる可能性がある。金融機関と投資信託の動きも注視しておきたい。

 加えて、海外情勢による短期的な急落にも要注意だ。Jリート市場は株式市場ほどではないが、外国人投資家の売買比率が高く、世界的にリスク回避の動きが強まるとJリートも売られてしまうからだ。

 ここで、2016年前半のJリート相場の動きを振り返りたい。東証REIT指数はマイナス金利政策導入決定後から大きく上昇し、4月25日に1970ポイントをつけた。その後、1900台前半~1800台ポイント前半で推移していたが、英国の欧州連合(EU)離脱が国民投票で決まった6月下旬、約4か月半ぶりの安値1729ポイント(同月27日)まで急落した。

 ところが、翌日すぐ反発し、6月末には1843ポイントとEU離脱ショック前の水準まで回復した。8月上旬は概ね1850ポイント前後で推移しており、Jリートの平均分配金利回りは3.4%程度を保っている。

 英国のEU離脱ショックで一時大きく下げたのは、リスク回避が必要になった外国人投資家の売りが出たからだ。Jリートは上場投資商品である以上、リスク商品として認識される。リスク回避の動きが強まれば、株式同様に売られてしまうのだ。今後も海外情勢の影響で、大きく売られる局面はあるだろう。

 とはいえ、今回のEU離脱ショック時のように、瞬間的に価格が崩れても、すぐに落ち着きを取り戻して回復する場合もある。Jリートにこれから投資したいと考える人にとっては、こうした下げ局面は銘柄によっては買いの好機になるだろう。

※マネーポスト2016年秋号

トピックス

精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン