初週から25週連続で視聴率20%を突破するなど大ブームになったNHKの連続テレビ小説『とと姉ちゃん』。昭和初期から高度成長期を舞台に、長女・常子(高畑充希)が亡き父に代わって家族を守るために奮闘する物語が多くの感動を呼んだ。10月1日の最終回まで数回を残すのみとなり、「ととロスになりそう」という視聴者が急増している。
その反響について、脚本を務めた西田征史さんはこう語る。
「回転寿司屋さんに行ったら、横に座っていたお客さんが板前さんの帽子を見て“森田屋の板さんのかぶっていた帽子だ”と言っていました。そういった声を聞くと、あぁ見てくださっているんだなと感じます」
家族の団らんが描かれたこのドラマと同じで、現場も和やかな雰囲気だったと、チーフ・プロデューサーの落合将さんは明かす。
「高畑さんは撮影中、ヒロインの控室にはほとんど戻りませんでした。メイク室でメイクさんがメイクする場所の横に“常子席”という決まった椅子があって、いつもそこで台本を覚えていました。出演者からスタッフまで、いろんな人が気さくに話しかけていました」
出演者たちでオフの日に食事に行くこともあったそうで、ドラマ同様の団らん光景があったという。9月23日から出演している吉本実憂(19才)は、「みなさん温かく迎えてくださった」と話す。吉本が演じる水田たまきは、小橋家の次女・鞠子(相楽樹)の娘で、常子に憧れて生活情報誌『あなたの暮し』編集部で働き始める。
「高畑さんは現場でも常子のようにみんなを引っ張る感じで、唐沢寿明さんも役の花山伊佐次のようにユニークなかたでした。私も新入社員のたまきと同じように温かく迎えてもらい、役になりきって自然体で撮影に臨むことができました」
撮影■阿部卓功
※女性セブン2016年10月13日号