芸能

『とと姉ちゃん』に古田新太が出演、背景に「食品偽装」

赤羽根社長(古田新太)は『とと姉ちゃん』のラスボス?(公式HPより)

 25週連続で視聴率20%を超えるなど、大人気となったNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』が10月1日で最終回を迎える。

 とにかく個性の強い登場人物が多かったこの作品だが、とくに人気が高かったのはヒロイン・常子(高畑充希)が交際していた帝国大学の学生だった星野武蔵(坂口健太郎)。星野の人気ぶりは、2か月ぶりに再登場した回が番組最高視聴率25.9%を記録したことからもわかる。星野はまじめな青年で、植物の話になるとわれを忘れる学者肌だった。脚本を担当した西田征史さんはこう話す。

「常子はなんでも自分で抱え込んでしまう性格で、家族に自分の気持ちを正直に出せないところがある。それを吐露できる存在が必要でした。かといって彼ができすぎた人だと、常子の性格的に頼れないだろう、と。そこから星野という、あのバランスのキャラクターが誕生しました」

 常子は星野のプロポーズを断り“とと”として家族を支える道を選んだが、戦争を経て15年後に偶然再会する。再び距離を縮めたふたりだが、星野の仕事の名古屋転勤を機に、またしても別れてしまった。これについて西田さんは「結婚させてあげたかった」と率直に語る。

「でも、星野には守るべき子供がいて、社員をかかえる常子も守るべきものが増えてしまった。あの時代、あの状況で、常子は結婚という選択はできなかったんです」

 物語の後半を彩った強烈な脇役のひとりが、商品試験で『あなたの暮し』編集部と対立する赤羽根社長(古田新太)だ。ネット上では朝ドラ『あまちゃん』で古田が演じた荒巻太一と重ね合わせる視聴者も多く、「ラスボス」とも称された。チーフ・プロデューサーの落合将さんがキャスティングの理由をこう語る。

「古田さんがドラマ『震える牛』で、食品偽装を行う精肉卸会社の社長を演じたことがあるのですが、とてもどす黒くて生々しい演技でした。その存在感に感銘を受け、依頼しました。古田さんの演技と存在感は本当にすばらしかった」

 なかでも話題になったのは、社長室でカニをむさぼり、鋭い目つきでステーキを食べるといった赤羽根の食事シーンだ。西田さんは「食べる行為はその人の人間性をすごく表すと思って書いた」と言う。

※女性セブン2016年10月13日号

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