「しんぶん赤旗」は、日本共産党の機関紙であり、「資金力」の源泉でもある。2005年の離党まで共産党No.4として辣腕をふるった筆坂秀世氏(元参議院議員)と、ジャーナリストとして赤旗と関わり、先般の都知事選では共産党と対峙した上杉隆氏が、共産党の資金源が揺らぎつつある現在の変化について語った。
筆坂:赤旗は共産党の主力事業です。共産党の収入の実に8割は赤旗の売り上げだから、部数が減ると党の財政がもたない。日曜版はかろうじて100万部出て、党の財政を支えていますが、日刊紙は党員の数を下回るようになってきた。
上杉:1軒で10部取ることは今もあるんですか?
筆坂:さすがにやってないだろうね。そもそも、どうやって部数を増やすかというと、僕は東京1区の候補者時代、新宿区や千代田区の地区委員会から「赤旗拡大に入ってください」と頼まれた。
こっちは候補者だから断れず、区議と一緒に「次の参院選挙まで3か月だけでも取ってください」と各世帯に頭を下げた。これが嫌でねぇ。知らない家を訪ねて行って金出せって言うんだから。キャンペーンの度に全国の地方議員が頭を下げてようやく部数が維持できるけど、結局3か月で元に戻ってしまう。
上杉:創価学会の機関紙、聖教新聞でも、その手の話を訊いたことがあります。
筆坂:そうそう。地域で商売している自営業者を相手に新聞をとってもらうわけだから、ターゲットは重なる。お付き合いで聖教新聞と赤旗を両方取る家もあった。
昔は赤旗紙上でどの地方議員が何部拡大したかのランキングを発表し、赤旗を何部増やすかを競わせていたけど、もうやってないみたいだね。