モンキー・ドッグ「クマ」の職場は、富山市内から車で1時間ほどの山あいに広がるらっきょう畑。山から下りてきて農作物を荒らすサルを追い払うため、週末に訪れている。
「このあたりは神通峡っていう中山間地域で、以前から獣害被害が多いところなんよ。特に猿は50頭くらいの群れが2つあって、電気柵くらいじゃ防ぎきれん。そこで、ボクらの出番というわけなんだ」
クマたちモンキー・ドッグと一緒にパトロールしているのは、富山県立中央農業高等学校の窪木睦明先生と生物生産科動物科学コースの2年生。
「もともと学校に犬はいたんだよね。ふれあい動物園で子供たちと遊んだりしていたけど、窪木先生が『農業生産にかかわる活動を!』って、授業の一環としてやることにしたんだよ」
生徒たちは訓練から一緒に始め、昨年からいよいよ仕事を開始した。
「今年から無線探知機を導入。これでだいたいの場所を探り、最終的にはボクらがにおいで見つけて吠えるという連係プレーで、効果倍増なんよ」
事実、今年のらっきょう被害はなんとゼロ!
「みんなに感謝してもらえるんで、働きがいがあるね。もっともっと頑張って、富山のおいしい農作物を全国のみんなに食べてもらいたいっちゃ」
【プロフィール】
名前:クマ♂
年齢:3歳
種類:犬(ゴールデンレトリバー)
勤務先:富山県立中央農業高等学校
職種:モンキー・ドッグ
主な仕事内容:山から下りてきた猿が農作物を荒らさないように見まわりをし、見つけたら追い払う。
お給料:畑や学校の敷地内で自由に遊べること。
好きなこと:走りまわったり他の犬と追いかけっこをして遊ぶこと。
嫌いなこと:特になし!
現在の悩み:最近、小柄な相棒(ミニチュアシュナウザーのブラ)の方が重宝されてて、ボクの出番が少ない。もっと働きたい!!
将来の夢:いずれお嫁さんを迎えて、家族で畑を守りたい。
撮影/山口規子
※女性セブン2016年10月13日号