ライフ

台風が影響 「何となく調子が悪い」は気象病の可能性

台風多発で「気象病」も増加の傾向(PH:アフロ)

 台風の当たり年の今年、不調を訴える人が増えていると言うのは日本で唯一の天気痛・気象病外来を開設している佐藤純さん。

「台風が発生すると気圧が急激に下がるため、外部環境の急激な変化に体が対応しようとします。すると自律神経が乱れ、血圧や心拍数が上がり、頭痛やめまい、関節が痛むといった症状を引き起こします。天気の急激な変化によって不調が起きる、気象病と考えられます」(佐藤さん以下「」内同)

 これは耳の奥にある『内耳』と呼ばれる、体にとっての“センサー”が大きくかかわっている。

「気圧の変化は内耳でキャッチされ、脳は今までと違った環境になったと混乱を起こし、結果、自律神経が乱れるのです」

 台風は気圧の変動が激しいため、気象病に陥りやすい。気象病による症状は、頭痛、めまい、眠気、古傷が痛むなど、多岐にわたる。そのほか、車酔いのような気持ち悪さや気分の落ち込みなども見られるという。

「特に片頭痛を訴える人は多く、天気が下り坂になると頭がズキズキ痛くなるというのは気象病の典型的な症状の1つ。秋口は気温や気圧が下がり、冷たい空気を吸い込むことで気管支喘息の発作が起こるパターンもあります」

 このように、激痛におそわれることはないが、「何となく調子が悪い」というような症状が多いのが特徴だ。

 性別、年齢差によってかかりやすい、かかりにくいというデータはないが、比較的、女性のほうが自覚症状を訴える人が多いという。

「男性は痛みがあっても我慢する傾向にあるので、気象病だと気づきにくいのです。女性は生理痛や更年期の症状が重くなり、ひどくなると起き上がれないことも」

 普段からむくみやすい人も注意が必要。筋肉量が少ない女性はむくみやすい傾向にあるため、やはり重い症状となって出やすい。

「内耳に水が溜まると、気圧が変化するとセンサーが敏感になり、異常を訴えます。むくみ防止のため、塩分を控え、体を冷やさないような生活習慣が必要です」

※女性セブン2016年10月20日号

関連キーワード

トピックス

渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
《会社の暗部が暴露される…》フジテレビが恐れる処分された編成幹部B氏の“暴走” 「法廷での言葉」にも懸念
NEWSポストセブン
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》週刊ポストが1年前に託された最後のメッセージ「私の人生は野球に始まり、これからも常に野球とともにあります」
週刊ポスト
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
長嶋茂雄さんとの初対戦の思い出なども振り返る
江夏豊氏が語る長嶋茂雄さんへの思い 1975年オフに持ち上がった巨人へのトレード話に「“たられば”はないが、ミスターと同じチームで野球をやってみたかった」
週刊ポスト
元タクシー運転手の田中敏志容疑者が性的暴行などで逮捕された(右の写真はイメージです)
《泥酔女性客に睡眠薬飲ませ性的暴行か》警視庁逮捕の元タクシー運転手のドラレコに残っていた“明らかに不審な映像”、手口は「『気分が悪そうだね』と水と錠剤を飲ませた」
NEWSポストセブン
金田氏と長嶋氏
《追悼・長嶋茂雄さん》400勝投手・カネやんが明かしていた秘話「一緒に雀卓を囲んだが、あいつはルールを知らなかったんじゃないか…」「初対決は4連続三振じゃなくて5連続三振」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《レーサム創業者が“薬物付け性パーティー”で逮捕》沈黙を破った奥本美穂容疑者が〈今世終了港区BBA〉〈留置所最高〉自虐ネタでインフルエンサー化
NEWSポストセブン
「秀才」に突然訪れた“異変”の原因とは(イメージ)
中受で超難関中高一貫校に入学した「秀才」に突然訪れた“異変”の原因とは「腹痛と下痢を繰り返し、成績は最下位クラス…」《エリートたちの発達障害》
NEWSポストセブン
《女子バレー解説席に“ロンドン五輪メダル組”の台頭》日の丸を背負った元エース・大林素子に押し寄せる世代交代の波、6年前から「二拠点生活」の現在
《女子バレー解説席に“ロンドン五輪メダル組”の台頭》日の丸を背負った元エース・大林素子に押し寄せる世代交代の波、6年前から「二拠点生活」の現在
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平が帰宅直後にSNS投稿》真美子さんが「ゆったりニットの部屋着」に込めた“こだわり”と、義母のサポートを受ける“三世代子育て”の居心地
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! ミスター長嶋茂雄は永久に!ほか
「週刊ポスト」本日発売! ミスター長嶋茂雄は永久に!ほか
NEWSポストセブン