19年ぶり最下位に沈んだ中日ドラゴンズの不振は、いったい誰の責任なのか。ファンやマスコミからは落合博満GMが貫いた「オレ流」に原因を求める声が大きい。たとえば、契約更改で減額制限超えも辞さない大幅コストカットを断行したことも、チームに不協和音をもたらした。
「コストに厳しいくせに、子飼いには甘い。落合派の代表格とされる41歳の岩瀬(仁紀)は、今季15試合の登板で防御率6点台という成績でありながら、現状維持の年俸5000万円あたりで希望する現役続行を認められる見込みだ。落合GMの権勢が今後も変わらないなら、鶴の一声で引退後に即コーチという可能性が高い」(担当記者)
“エコヒイキ”ともとられかねない待遇差に反発する選手は多く、平田良介(11年目、チーム打点王)と大島洋平(7年目、チーム首位打者)の2人は、「落合GMがチームに居続けるなら、今オフのFA移籍は確実」(同前)とみられている。
当然ながら、チーム編成の責任者として、不振の責任は問われることになる。来年1月末で契約期限が切れるだけに、退任は必至──のはずである。
ところが、「契約期限後も顧問なのか本部長なのかわかりませんが、なんらかの立場で球団に残るのでは」(中日新聞関係者)との見方があるのだ。
中日OBは落合GM体制の低迷をどう見ているか。
辛口評論で知られる木俣達彦氏は、「谷繁監督の途中休養は間違った判断だったと思う。最後までやらせたかった。ただ、兼任監督時代を通じて、後継者捕手をつくれなかった。そのことについての谷繁の責任は重い」と語った。中日の監督経験者で重鎮中の重鎮ともいえる杉下茂氏もこういう。
「今年は大砲を期待されたビシエドが22本止まりだったし、投げる方では15勝はいってもらいたかった大野雄大が7勝。戦力的には揃っていたので、GMや監督の責任というより、選手の力が発揮できなかったということに尽きるよ」
2人に共通するのは、谷繁監督や選手など落合GM以外の責任も大きいという見方である。
※週刊ポスト2016年10月14・21日号