昨年の今頃は、あんなにテレビに出ていたのに――パンツ一丁のふくよかな体で、リズムにのって全裸に見える様々な際どいポーズを決め、「安心してください、穿いてますよ」と和ませるネタで一躍ブームとなったお笑い芸人・とにかく明るい安村(34才)。昨年にはユーキャン新語・流行語大賞のトップ10を受賞し、テレビで見ない日がないほど人気があったが、このところパッタリと姿を消してしまった。
その原因のひとつは、不倫騒動と指摘されている。今年3月、『週刊文春』で、都内のビジネスホテルに美女と朝まで宿泊したことが報じられた。本人は不倫を否定したものの、今年は1月のベッキー&川谷絵音に始まり不倫騒動が相次いだだけに、いつも以上にとにかく目立ってしまった。
お笑い評論家のラリー遠田さんは、不倫騒動の影響について裸芸との関連を挙げる。
「裸芸なので、元々、安村さんに対して抵抗感があった女性も多かったと思います。そこに不倫報道が出たことで、その抵抗感が決定的なものになってしまった。下着一枚というのが情事を連想させて、生々しく感じてしまうのでしょう。あの裸芸を視聴者が笑えなくなってきているのが低迷の大きな要因だと思います」
安村本人も、「よしもとなので劇場の仕事は毎日出ていますが、テレビの仕事が減った。なんとかやってます」と7月のイベントでコメントしており、厳しい状況にあることは自覚しているよう。ただ、仕事が激減してしまったのはそれだけが理由ではないとラリーさんは言う。
「単純に旬が過ぎたからです。安村さんがブレイクしたのは、昨年の上旬でした。1年も経つと新しい芸人が出てきたりして流行がリセットしてしまうのは、どんな芸人さんも通る試練ですね」
一時的な騒動の影響ではなく、飽きられてしまったというのは余計に深刻だが…。安村が再びお茶の間に戻ってくることはできるのか。
「次のキャラクター、ネタを見つけるしかないですね。“とにかく明るい安村といえばこれだ”、というものを、もうひとつ作ってもらいたいです。彼はコンビを解散してピンになってから、すぐにあのキャラクターを見つけだして、一気にブレイクしました。ネタ作りのセンスや、お笑いに対する勘の良さがあるわけですから、きっとできるはずです」
お笑い芸人は、テレビの露出が少ないからと言って仕事をしていないのかというと、そういうわけではない。テレビ以外の仕事でブレイクする人はいくらでもいる。
「ダンディ坂野さんやテツandトモさんなどは、テレビであまり見かけなくても、営業が忙しく、高収入を得ています。一度でも売れて有名になった芸人は、地方などでも喜ばれるので、営業で忙しい人はいくらでもいます。つまり、安村さんは仕事が減ってしまったことで“一発屋”という武器を手に入れた、とも言えるのです」
次に安村がネタ番組に登場するときには、定番の裸芸だけでなく、新しいキャラクターが見られるかもしれない。ラリーさんもこう期待する。
「どんなネタを作るにせよ、とにかく明るい安村という名前のとおり、今までのようにカラッと明るいキャラクターでいてほしいです。不倫騒動があっても開き直るくらいでいいと思いますよ。世の中を明るくするようなキャラであってほしいです」
これからが、とにかく正念場だ。