10月10日は「体育の日」だけではない。1年でもっとも記念が多いこの日をいかに楽しむか。大人力コラムニストの石原壮一郎氏がその方法を伝授する。
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カレンダーを眺めていて、思わず「おっ!」と声をあげました。今年の「体育の日」は10月10日ではありませんか!
東京オリンピックの開会式が行なわれたことにちなんで、10月10日が「体育の日」という国民の祝日になったのは1966(昭和41)年のこと。その後、2000(平成12)年からはハッピーマンデー制度によって、10月第2月曜日という流浪の旅を強いられることになりました。やっぱり「体育の日」には10月10日がよく似合います。原点回帰というか温故知新というか、今年はその有難味をいつも以上に感じられることでしょう。
じつは10月10日は、元「体育の日」というだけでなく、「1年のうちでもっとも記念日が多い日」でもあります。まさに記念すべき一日。人生を積極的に楽しみたい大人としては、この特別な日の魅力を果敢に味わい尽くしましょう。
一般社団法人日本記念日協会のHPによると、同協会が認定している10月10日の記念日はなんと44(毎月10日のものも含む)。協会認定の記念日以外でも「目の愛護デー」や「釣りの日」など、たくさんの記念日が目白押しです。ここまで増えたのは、おそらく語呂合わせがしやすいから。「トートバックの日」「じゅうじゅうカルビの日」などはそのままですが、「転倒予防の日」「てんとう虫の日」「トマトの日」「銭湯の日」あたりは少し推理が必要です。
「ふとんの日」は、10がふたつで「ふ(2)と(10)ん」だから。「ポテトサラダの日」は、ポテト=POTATOのTATOが1010をイメージできることと、主原料である人参、じゃがいも、きゅうり、玉ねぎを横に並べると1010に見えることから。このへんになると、教えてもらわないとたどり着けそうにありません。「鯛の日」のように、「体育の日→タイ(イ)クの日=鯛喰う日=鯛の日」というダジャレパターンもあります。
というわけで、上で触れたものも含めて、あまたある10月10日の記念日を元に、この日の理想的な過ごし方を考えてみましょう。まずはレジャー。「釣りの日」なので釣りに出かけて、夕方には「銭湯の日」ということで銭湯でひとっ風呂。「萌の日」(十月十日を並び替えると萌の字に見えるから)にちなんで、メイドカフェに繰り出すのもオツです。
ファッションにも気を配りたいところ。「トレーナーの日」(スポーツ行事に似合うことと、トレーナーのト=10と英文のスウェットのト=10の組み合わせから)なので、トレーナーを着込み、「トートバックの日」に敬意を表してトートバックを片手に下げ、さらに「目の愛護デー」でもあるのでサングラスをして街に繰り出しましょう。その組み合わせはどうなのかという気もしますが、記念日を満喫するためなので仕方ありません。