がん治療で重要なのが病院選びだ。国立がん研究センターが9月26日に公表したがん拠点病院症例数の全国集計は、重いステージのがん患者にとって、最後までケアしてくれる病院かを見定める目安になる。
40~50代の女性を中心に、年間約9万人が新たに患う乳がん。ステージIVの受け入れ数は、埼玉医科大学国際医療センターが全国最多だった。日本乳癌学会認定施設として高い評価を受け、2014年の乳がん手術の実績は478件にのぼる。
【1位】埼玉医科大学国際医療センター:37
【2位】北海道がんセンター:30
【3位】東海大学医学部付属病院:28
【4位】社会医療法人 博愛会相良病院:27
【5位】聖路加国際病院:26
【6位】東京都立駒込病院:25
【6位】東北大学病院:25
【8位】医療法人鉄蕉会亀田総合病院:23
【10位】東京都立多摩総合医療センター:22
(末尾の数字がステージIVの受け入れ数)
とくにステージIVの受け入れ数が多い理由について、同センターの包括的がんセンター長で、「乳がん手術の名医」と評される佐伯俊昭氏はこう説明する。
「私たちは“手の施しようがない”と他の病院でサジを投げられ、通う病院がない患者さんをすべて受け入れています。ステージIVでも治療がうまくいけば10年生きられる場合もありますから。また、がん患者には治療だけでなく心のケアも必要。2007年には乳がん患者と家族をサポートするケアチームもつくりました」
末期がんになった時、どの病院を選ぶか。検討材料のひとつにしてほしい。
※週刊ポスト2016年10月14・21日号