議員生活40年をかけて政権交代に執念を燃やした江田五月氏(75)。元民主党最高顧問が蓮舫代表、野田佳彦幹事長の新体制に檄を送る。
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今日(9月28日)、ちょうど朝の参議院本会議の代表質問を聞きまして、蓮舫らしく歯切れよく、皮肉も込めて喋っているなと思いました。ああいう調子でやっていくほかない。
蓮舫とはキャスター時代からの随分長い付き合いで、もう30年くらいになる。例の国籍問題で何か言う人がいるのかもしれないけど、むしろ問題は、なぜ長らく蓮舫は日本国籍を取れていなかったのかということ。
問題は国籍法なんですよ。男系主義で、母親が日本人であっても国籍を取れないという時代が続いていたんです。女子差別撤廃条約の批准という世界の潮流でようやく国籍法を変えて、蓮舫も日本国籍を取得できた。
男系優位の社会から男女共同参画へと変化していく過程の中で男系優位の悲劇を体験している人なので、これからそれをプラスに活かしていけばいい。日本社会を変える人材になると思います。
前代表の岡田(克也)さんの場合は、国民から見て、「僕たち、私たちの岡田!」という感じはなかった。蓮舫にはそうなる可能性がある。「私たちの蓮舫!」となる可能性はある。今はまだ無理ですが。
20年前の1996年に民主党ができて、2009年には政権交代を実現して、良いこともいっぱいあったと思うけど、結果を見ればこの20年は失敗に終わった。
僕はこの夏で辞めたけど、これから民進党で政権交代の第2幕が始まりますから。今は生まれる時の苦しみ。まだ産道を通ったばかりで、へその緒もついている状態。オギャーと泣いているところだから色々あるのは当たり前ですよ。
一番の批判されるポイントは野田佳彦・幹事長なんでしょう。元総理を幹事長として使うなんて今まではなかったじゃないですか。みんなびっくりするし、だからこそ批判もある。
彼は民主党になる前、日本新党の時からの仲間ですが、「自分は目立たなくていいから人をしっかり支えよう」という男だった。見る人によっては評価は高いんですよ。今は怒りを買っていればいいじゃないですか、「その通りでございます」と言っていれば。それだけの強さが野田さんにはあると思いますよ。
蓮舫一人に頑張れではなく、批判する人も含めて民進党みんなに、「もっともっと苦労しろよ」と言うのが僕の役割だと思っています。
●えだ・さつき/1941年生まれ。77年参議院初当選。参議院議長、法務大臣、民主党最高顧問などを歴任。弁護士。
※週刊ポスト2016年10月14・21日号