大学球界の投手陣を中心に「10年に1度の大豊作」といわれるドラフト会議が10月20日に迫ってきた。10月6日、巨人の球団事務所で行なわれたスカウト会議では、今年のドラフト1位指名候補が創価大・田中正義、明大・柳裕也ら6投手に絞り込まれたという。
「今季、先発ローテが崩壊した巨人にとって、投手陣の補強は何よりの急務。大学、社会人から即戦力を取る方針で、中でも田中投手に狙いを定めているといわれます」(担当記者)
田中は創価高から創価大に進んだ右の本格派で、最速156kmのストレートを繰り出す。 田中には、巨人のほかに楽天、西武、オリックス、日本ハム、阪神が触手を伸ばし、6球団の競合もあると見られている。なかでも、とりわけ田中に近いとされるのが日ハムだ。創価大OBの獲得実績も豊富で、創価高出身の栗山英樹・監督もいる。
「田中で気になるのは、右肩の故障です。春のリーグ戦はそのせいで登板できなかったので、指名予定の球団は少しでも情報が欲しい。しかし、各球団のスカウトが足繁く創価大のグラウンドに通う一方、なぜかこのところ日ハムだけ姿を見せないんです。
ここ数年、ナンバー1投手を競合覚悟で指名してきた日ハムですから、田中の1位指名は確実でしょう。それなのにグラウンドに来ないのは、“わざわざ行かなくても肩の回復具合もわかっているし、信頼関係もある”ということかもしれない。巨人を含め、各球団は疑心暗鬼に陥っている」(球団関係者)
※週刊ポスト2016年10月28日号