中国人民解放軍の戦闘機「殲-10(J-10)」が9月下旬、天津市の公園に墜落していたことが分かった。飛行中に鳥と衝突し、エンジン部分が損傷して飛行不能に陥ったとみられる。J-10が黒煙を上げて墜落している写真がネット上に拡散している。
ネット上では、「中国軍の戦闘機はよく墜落する。これで、市民が巻き添えになって犠牲になったら、国を守る軍ではなくて、犯罪だ」などとの辛辣なコメントが寄せられている。
中国の新浪ネットによると、この写真は目撃者が撮影したもので、自身のブログに掲載したという。
墜落現場は天津市の武清南湖公園で、被害者は出ていないもよう。パイロットはパラシュートで脱出している。
墜落した戦闘機は、天津の武清区楊村空港を拠点とする中国人民解放軍空軍部隊第24師団所属とみられる。今回の墜落情報について、中国軍からのコメントはなく、中国メディアも一切報道してない。
これまでの中国軍の戦闘機の事故については、いくつかの事例が報じられている。中国共産党機関紙「人民日報」によると、今年4月27日、中国の主力の戦闘機「殲-15(J-15)」が航空母艦「遼寧」への着陸訓練をしていた際、突発的な故障により墜落し、パイロットは脱出に失敗し死亡している。
昨年12月17日には、J-10が浙江省台州市で訓練中に墜落し、空中で爆破した。パイロット2人はパラシュートで脱出した。
香港メディアによると、この3年間、中国軍戦闘機の墜落事故は25件で、50人以上が犠牲になっている。最近、追悼式典が軍内で秘密裏に行われたという。
一方、墜落事故の巻き添えになって死亡した市民も100人以上に上っているが、これについては一切報じられていない。軍が遺族に賠償金を支払ったケースもあるという。
香港発のネット上では、遺族の話として、「解放軍は人民の軍隊と言われているが、天安門事件で学生や市民に銃口を向けたように、いまでは人殺し集団だ」との書き込みもみられている。