大学球界の投手陣を中心に「10年に1度の大豊作」といわれるドラフト会議が10月20日に迫ってきたが、本拠地・東京ドームでのCS敗退という屈辱を味わった“球界の盟主”は、ここでも予想外の苦戦を強いられているようだ。
巨人のドラフトといえば、目玉選手が「巨人以外考えていない」などと発言し、他球団が指名を避けるパターンが定着していた。
「2000年のドラフトでは、当時、敦賀気比高の内海哲也を指名するにあたり、バッテリーを組んでいた捕手も抱き合わせで指名した。“他には絶対行かせない”という囲い込み策で、内海は巨人以外の指名は拒否すると事前に言明していた。しかし、この時はオリックスが強行指名。内海は入団を拒否して東京ガスへ“一時避難”し、3年後に巨人が自由獲得枠で手に入れるという経緯がありました」(スポーツ紙デスク)
そうした強引な手法は長く巨人の十八番だったはずだが、今年はむしろ日本ハムの動きに翻弄されている様子がうかがえる。ある球団の担当スカウトはこういう。
「最近の高校、大学の選手の間には、昔のような巨人信仰は見られません。評価が高い選手が望んでいるのは、将来のメジャーでのプレー。メジャー移籍へのハードルが高いイメージのある巨人はむしろ“行きたくない球団”になっている」
一方の日ハムは大谷の二刀流を認め、ダルビッシュをポスティングでメジャーへ送り出した。メジャーへのステップとなり得る球団という印象が強い。
「また、巨人戦はかつて全国放送が当たり前でしたが、今や地上波の放送がほとんどない。逆に日ハムは北海道、ソフトバンクは九州など、地方球団は地元での地上波放送がある」(同前)
※週刊ポスト2016年10月28日号