コラム

FX口座で外貨を保有するメリットとは?

FXで外貨を保有するメリットとは?

 カリスマFXトレーダー・羊飼い氏が、外為市場の旬な話題をウォッチする連載「FXトレンドフォーキャスト」。ここではFX口座で外貨を保有するメリットについて、羊飼い氏が解説する。

 * * *
 差益を取りに行くばかりが外貨投資ではない。実際、羊飼いも日々売買を繰り返すFX口座とは別に、外貨預金的に複数の外貨を中長期保有している。資産を日本円だけで持つのはリスクが高いと考え、通貨を分散しているのだ。

 相場の大きなトレンドの変化を感じた時には一時的に日本円に戻すこともあるが、あくまで資産分散が目的なので基本的にはほったらかしにしている。当然、レバレッジはかけていないので、リスクは最低限に抑えられている。

 FX口座でも、レバレッジをかけなければ外貨預金と同じリスクで外貨を保有することが可能だ。資産分散を目的に高金利のメリットを享受しながら保有するなら、FX口座は外貨預金より有利な点が多い。

 どの通貨ペアにもいえることだが、外貨預金への預入時に日本円から外貨に変える際の為替手数料よりも、FXのスプレッドのほうが圧倒的にコストは低い。また、普通外貨預金より金利の高い外貨定期預金だと、満期までは原則解約できないのに対し、FXなら毎日日割りでスワップ金利(取引する通貨間の金利差)を受け取りながらいつでも決済ができる。通貨によっては外貨を現金で受け取る「現受けサービス」を提供しているFX会社もあり、使い勝手も外貨預金と遜色ない。

 例えば、高金利通貨であれば、トルコリラと南アフリカランドを扱う金融機関は多くはないが、FX会社なら外為どっとコムとセントラル短資FXなどで両通貨を取引できる。外貨預金はトルコリラなら新生銀行と大和証券・大和ネクスト銀行、南アランドは新生銀行、楽天銀行、ソニー銀行などで取り扱いがある。

 短期的にはトルコや南アフリカはアメリカの利上げによる資金流出の心配が大きいが、ここが底だと考える投資家や、より長期的な視野で両国の経済成長を期待するなら、FX口座でリラやランドを保有する方法は選択肢のひとつではある。

 この場合、くれぐれもレバレッジを高くしすぎないことが重要だ。スワップ狙いの投資で最も犯しやすい失敗は、高金利に気を取られて安易に高レバレッジでポジションを取ってしまうことだからだ。FXではなく有利な外貨預金だと割り切って、できればレバレッジをかけずに、かける場合でも3倍を限度にしたい。

 世界的な低金利が続く中、高金利通貨のスワップ狙い投資の難易度は上がっているが、こうした状況は永遠に続くわけではない。

 アメリカの利上げがある程度の水準まで進行すれば、2000年代半ばのように米ドル円でもスワップ狙いの投資ができる時期がやってくるだろう。このような局面であれば、さらに金利の高い新興国通貨のレートも比較的安定し、高いスワップ金利をコツコツと積み重ねる投資もしやすくなるはずだ。かくいう羊飼い自身も、かつては豪ドルでのスワップ収入で生活することを夢見て「羊飼い」と名乗り始めたほどハマっていた時期がある。

 スワップ狙いだけでなく、差益狙いのトレーダーにとっても当面は厳しい市場環境が続きそうだ。こうした時期は無理をせず、市場の動きをしっかり観察しながらチャンスに備えよう。

※マネーポスト2016年秋号

トピックス

隣の新入生とお話しされる場面も(時事通信フォト)
《悠仁さま入学の直前》筑波大学長が日本とブラジルの友好増進を図る宮中晩餐会に招待されていた 「秋篠宮夫妻との会話はあったのか?」の問いに大学側が否定した事情
週刊ポスト
新調した桜色のスーツをお召しになる雅子さま(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
雅子さま、万博開会式に桜色のスーツでご出席 硫黄島日帰り訪問直後の超過密日程でもにこやかな表情、お召し物はこの日に合わせて新調 
女性セブン
NHKの牛田茉友アナウンサー(HPより)
千葉選挙区に続き…NHKから女性記者・アナ流出で上層部困惑 『日曜討論』牛田茉友アナが国民民主から参院選出馬の情報、“首都決戦”の隠し玉に
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(時事通信フォト)
《「心神喪失」の可能性》ファストフード中学生2人殺傷 容疑者は“野に放たれる”のか もし不起訴でも「医療観察精度の対象、入院したら18か月が標準」 弁護士が解説する“その後”
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと住所・職業不詳の谷内寛幸容疑(右・時事通信フォト)
〈15歳・女子高生刺殺〉24歳容疑者の生い立ち「実家で大きめのボヤ騒ぎが起きて…」「亡くなった母親を見舞う姿も見ていない」一家バラバラで「孤独な少年時代」 
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
週刊ポスト