今の季節 “最旬”となる食材が「新米」。JAS規格(日本農林規格)の規定によると、新米とは収穫した年の12月31日までに精米・包装されたものを指す。米の収穫は沖縄県石垣島(6月下旬~7月初旬)を皮切りに北上。九州が8~9月、上越から東北にかけてコシヒカリやササニシキなどの銘柄米が出揃うのは10月ぐらいになる。
米は生鮮食料品であり、精米後、おいしく食べられるのはせいぜい3週間で、じつは大量の買い置きには不向き。空気に触れると酸化が進み、高温多湿に弱いので、保存には冷蔵庫の野菜室がいちばん。ペットボトルなど密閉できる容器に移し、なるべく早く食べきること。米の中に手を入れてみて、白い粉が手につくようなら米が酸化して質が落ちている証拠だ。
そんな新米を楽しむコツについて、料理研究家・松田美智子さんはこう話す。
「ご飯をおいしく炊く基本は、浸水と水切り。お米をといだ後、10分浸水することでお米の周りに水が入り、15分の水切りで水分がお米の中心に浸透する。これが炊飯の科学です。浸水と水切りをしっかり行っていれば、硬めに炊いても芯は残りません。噛みしめるとほんのり甘い、おいしいご飯が楽しめます」(松田さん)
◆新米のおいしいとぎ方
【1】米(ここでは2カップを基本とする)をボールに入れ、勢いよく流水を加えて混ぜ、すぐに水を捨てる。水が多く残っていると糠臭さを米に押し入れることになるので要注意。とぐのは1カップにつき10回、2カップなら20回を目安にする。その間に流水を張ってすすぎ、水を捨て…を2~3回挟む。
【2】水が透き通ったらもう一度捨てて新たに水を張り、10分浸水する(新米の場合は、米が水分を充分に含んでいるため5分でOK)。ざるに上げ、15分間水切りする。ちなみに急いでいる場合、優先すべきは水切り。水を替えながらといでいる間も若干の水分は米に浸透するので、水切りだけは忘れずに。