スポーツ

元カープ・小林敦司 頭部死球を与えた清原和博への感謝

元広島・小林敦司氏の第2の人生を訪ねた

 広島カープが25年ぶりのリーグ優勝を飾った。かつての鯉戦士たちは、その姿をどう見たのか? 第2の人生を歩む往年の選手を訪ねた。

 25年前、広島に入団した小林敦司(1991年~2000年)は東京・代官山で『2-3Cafe Dining』を経営している。2001年の引退後、東京・赤坂で料亭を営む父親の元で跡継ぎになるための修業を始めたが、考え方の違いから身を引いた。

 その後、縁もゆかりもないケーキ店に直接電話。職歴に「広島東洋カープ」と書いた履歴書を持参して、時給850円で初めてのアルバイトを始めた。30人ほどの職場で、男性は3人のみ。若い女性社員に呼び捨てにされ、毎日のように罵倒された。手の洗い方1つでも注意される日々が4年半も続いた。

「イラッとしたこともありますけど、やるしかないと思った。ケーキ屋で野球をするわけじゃないですから」

 イタリアンレストランやカフェなどでも経験を積み、約10年に及ぶ下積みを経て、2011年にチーズケーキが売りの店を開く。3年前には、現役時代に頭に死球をぶつけてしまった清原和博がテレビの企画で店を訪れた。危険球退場の翌日に謝罪に行って以来、言葉を交わすのは2度目だった。

「その後も、清原さんは番組への差し入れ用に頻繁に買いに来てくれました。僕は感謝の気持ちしかないです」

 今年の休日は、正月と台風直撃の計3日だけ。旅行に出かけることもない。

「楽しいからずっと働いています。いずれ、ハワイにお店を出すのが夢です」
(敬称略)

撮影■藤岡雅樹 取材・文■岡野誠

※週刊ポスト2016年10月28日号

関連記事

トピックス

近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見なえい恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン