株式市場が暴落した後は、リバウンドを狙うチャンスでもある。投資情報サイト「株式予報」代表の中原良太氏が、過去16年の株式市場の膨大なデータを徹底解析したところ、暴落後のリバウンドの狙い方が見えてきた。ここでは「中長期的なリバウンド」の狙い方について、中原氏が解説する。
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東証1部の騰落レシオ(10日間)が50以下になった(市場が暴落した)日の翌営業日に購入し60営業日保有し、その翌営業日に売却するというシミュレーションを行なった。2000年以降で、総取引回数は約26万回あり、そのうち約14.7万回で利益が出て、約11.6万回が損失となった。勝率は約55%で、利益期待値は3.65%。投資期間が長くなるため、短期リバウンドと比べて平均利益(16.03%)も平均損失(11.69%)も大きくなり、期待値も高い(3.65%)。
市場別で見ると、やはりマザーズのパフォーマンスが高い(期待値12.65%)。しかし、そもそも「暴落時のリバウンド」というリスクの高い投資をしているうえ、60営業日と比較的期間も長いことを考えると、できるだけリスクを抑えた安全な投資を選択したい。
そう考えると、勝率が高く(57.61%)、平均損失が小さい(10.66%)東証1部銘柄への投資がよいのではないか。また、中長期リバウンドを狙う場合でも、やはり直近25日間の下落幅が大きいほど期待値は高く、勝率も高くなる傾向がある。
これらのデータを総合すると、「東証1部の騰落レシオが50以下になったら、直近25日間の下落幅が大きい東証1部銘柄を翌営業日に買って60営業日保有し、翌営業日に売る」という戦略が有効だろう。
ちなみに、いったんはリバウンドしたものの、60日保有している間に下がってしまうケースも考えられる。そこで、「10%の利益になった時点で利益確定する」というルールも加えると、勝率は67.89%と跳ね上がる。平均利益は16.03%で、トータルでその水準の利益を目指したいが、「25日間の下落率が20%だった場合は10%で利益確定」、「下落率が40%だった場合は20%で利益確定」と半値戻しを狙うのもいいだろう。
※マネーポスト2016年秋号