イ・ボミ(28)、キム・ハヌル(27)をはじめ韓国勢が上位を独占する女子ゴルフ日本ツアーに変化が見えてきた。
10月2日、女子ツアー最高峰の「日本女子オープン」で17歳の高校生・畑岡奈紗が史上初のアマチュア優勝を果たした(同10日にプロ転向宣言)。
「とにかくアマチュア勢が存在感を見せた。6位タイに西村優菜(16)、3日目まで首位の長野未祈(15)が10位タイ。他にも佐渡山理莉(16)、古江彩佳(16)、石井理緒(16)、高橋彩華(18)、吉本ここね(16)、吉田優利(16)と、予選を通過した64人の中に高校生が9人もいましたからね」(ゴルフ誌記者)
さらにこの世代には一昨年、15歳でツアー優勝を果たした勝みなみ(18)や今季3試合連続のトップ10入りを記録した新垣比菜(17)らプロ顔負けの実績の選手もいる。
彼女たちは、「ジュニアの大会数増、プロの試合への出場機会増といった好条件もあり、実力をメキメキ伸ばしている世代」(ツアー関係者)として注目を集めている。
「畑岡や勝は“東京五輪に出て金メダルを獲りたい”と目標を口にします。たしかに今の日本人選手を見渡して、4年後に世界一になり得る選手がいそうなのはこの世代だけでしょう」(同前)
彼女たちはリオ五輪金メダルの朴仁妃(28)をはじめ、世界ランク上位を席巻する韓国勢に勝てるのか。
日本女子オープンでは賞金女王争いを独走するイ・ボミが体調不良を理由に初日で棄権。畑岡は、申ジエ(28)や李知姫(37)の猛追を振り切って優勝を果たした。
「10代の日本人選手の勝負強さに、韓国勢も相当の危機感を覚えている。日本女子オープンの翌週(スタンレーレディス)は、アン・ソンジュ(29)とイ・ボミによる韓国勢同士のプレーオフになったが、2打差の4位タイに畑岡、3打差の7位タイに勝みなみが食い込んで存在感を見せた。こうなると協会側も、組み合わせなどで『女子高生vs韓国勢』の構図が目立つように演出していくでしょう」(前出のツアー関係者)
4年後の世界一を目指すには、「韓国勢の壁」は避けて通れない。
※週刊ポスト2016年10月28日号