昨年、コアな箱根駅伝ファンの間で話題沸騰となった、ウェブメディア「駅伝ニュース」の面々による“詳しすぎるレポート”が、今シーズンも週刊ポストに帰ってきた! 主宰者である「博士」こと西本武司氏と相棒の「マニアさん」が、全国のレース現場を手弁当で回って得た見どころ情報を一挙公開。今年の箱根駅伝で活躍が期待される注目選手のマニアックすぎる情報を紹介します。
●順天堂大学・塩尻和也
「唯一のリオ出場箱根ランナー “かわいい顔してハードワーカー”」
リオ五輪3000m障害に出場した順天堂大の塩尻和也(2年)。この選手は尋常でない過密日程を組む。5月の関東インカレでは1万m、3000m障害(予選・決勝)の3レースを3日でこなし両方で優勝。9月の日本インカレでも5000m、1万m、3000m障害(予選・決勝)の計4レースを3日で消化。昨季、“中央学院大の鉄人”の異名を取った潰滝大記(つえたき・ひろのり)を思い起こさせる男だ。
●山梨学院大学・ドミニク・ニャイロ
「山学大の命運を握るニャイロは“超お茶目”!」
山梨学院大附属高で全国高校駅伝を制した上田健太、市谷龍太郎(ともに3年)らを擁す山学大のエースはドミニク・ニャイロ(2年)。速さはピカイチだが、少々ドジな一面を知るとさらに愛おしくなる。
昨年5月の関東インカレ1万mでは、2段階スタートのアウトから出た直後、レーン境界の内側に足を踏み入れてしまい、トップでゴールしながら失格。今年9月の日本インカレでは、逆にインスタートなのに号砲直後に外のコースに出る“遠回り”をしながら、2位でゴール。そんなお茶目なニャイロが、私たちは大好きだ。
●東洋大学・服部弾馬
「2020年が照準の東洋大・服部弾馬は苦難の年に!?」
5000mで日本人学生トップ記録を出した東洋大の服部弾馬(4年)ら、トラック競技で2020年東京五輪を目指すエースたちにとっては調整が難しい年になる。東京でメダルを狙うなら、来年のロンドン世界陸上の経験は不可欠。5000mの世界陸上標準記録突破と、20km強の箱根のどちらに合わせて調整するか、とにかく悩ましい問題だ。
●駒澤大学・片西景
「“6区の職人”候補は『あの千葉健太』にそっくりな駒澤大・片西景だ!」
駒澤大の注目は9月18日のシドニーハーフで優勝した片西景(2年)。なんといっても、腕を横に開くようにして振る独特のフォームがいい。なぜこの走り方がいいのか。実は、駒澤大で4年連続箱根6区を任され、区間賞3回を記録した山下り職人、千葉健太(現富士通)とそっくりなのだ。片西の6区での快走を、今から期待してしまう。
撮影■EKIDEN News
※週刊ポスト2016年10月28日号