今年10周年を迎えた美術鑑賞番組『美の壺』(NHK BSプレミアム)。同番組でナビゲーターをつとめ、『真田丸』で主人公の父・真田昌幸を演じた草刈正雄(64才)に近況について、そして『美の壺』について話を聞いた。
「最近は涙もろいんですよ、年だからなのかな。最近始めたブログにファンのかたから昌幸についてたくさん激励のコメン トをいただいて、嬉しいですよね。読んでいると泣けてくるんですよ。昌幸がいなくなって寂しいってコメント読んでたら、涙がボロボロ出て。翌日に撮影が 入っているときは読めないんですよ」
NHK大河で真田昌幸として強烈な印象を残した草刈。“昌幸ロス”という言葉が生まれた。一方、『美の壺』では谷啓から引き継ぎ、コミカルな“草刈さん”が好評だ。
「ジャズが流れるオシャレな番組で谷さんの時代から大ファンだったんだよ。番組の“草刈さん”は考古学者だっけ? ぼく自身設定はとくになくて、自然にやってますね。妻が気が強いってところはうちのかみさんと一緒ですが。
セリフのダジャレはアドリブです。台本読んでるとピーンとひらめくときがあって…。普段はダジャレなんていいませんよ、ぼく自身は面白くない人間ですから。
この番組のディレクターは、ぼくに色んなことをやらせたいと思ってくれるから、着ぐるみを着たり変装したり(笑い)。ついノッてやっちゃうんだけどね。昔は尖っていて役を拒んだこともありましたけど、今はなんでも素直に受け入れるんですよ。
役者は止まっちゃだめでしょ。常にやり続けないと。この番組は他でもない自分自身を演じるという点で、勉強になりますよ。他の芝居にもすごく役立っている。『美の壺』でぼくは、色んな扉が開いたと思っています」
※女性セブン2016年11月3日号