東京・吉原に、なぜか若い女性が訪れるスポットがある。彼女たちのお目当ては、去る9月にオープンしたばかりの日本初の遊廓専門書店「カストリ書房」。
遊廓や赤線(戦後の売春街の総称)に関する書籍を扱う「カストリ出版」の直営店で、わずか7畳ほどの店内には所狭しと「エロ本」が並ぶ。店名はもちろん「カストリ雑誌(※注)」に由来している。
【※注/戦後、出版の自由化を機に多数発行された大衆向け娯楽雑誌のこと。その多くが3号前後で廃刊と短命なことから、「3合で酔い潰れる」粗悪なカストリ酒にかけて、こう呼ばれた】
店主・渡辺豪氏が語る。
「昔から遊廓や赤線に興味があり、勤務していたIT企業を退職して立ち上げました。全国各地の遊廓や赤線に関する古書物を集めて、復刻・再販しています」
客層は、20~30代の女性が過半数を占めるという。
「若い女性は“エロ目線”ではなく、サブカル的に遊廓文化を楽しんでいて、セックスワーカーへの偏見もない。『私が男だったら絶対遊びにいく』と言って、1万円分くらいまとめて買っていく女性が多い」(豪氏。以下、「」内も同じ)
カストリ書房の主なラインナップは、著者の没後50年以上が経過して著作権が切れた書籍の復刻版だ。売れ筋の本を紹介しよう。