投資で1億円超えを達成した人を、いつからか「億り人」と呼ぶようになった。ハンドルネーム「メガヴィン」さん(40代・投資歴10年)もその一人。メガヴィンさんが、自身の投資遍歴を振り返る。
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私は現在40代前半ですが、20代の頃は親が所有するマンションの管理業をやっていて、「もっとガツガツ働きたい」「やりがいのある仕事はないか」と考えていたときにテレビで株式投資を知って、「こんなに儲かる人がいるんだ!」という安易な気持ちで始めました。
2006年6月の29歳のときに元手100万円で株をスタートし、あっという間に150万に殖やすことができて、「俺って天才なんだ」と調子に乗りました(笑)。しかし、預貯金もつぎ込んで1000万円ほどの資金で本格的に始めたところ、半年で500万円ほどヤラれてしまって……。知識もなく適当にやって勝てるほど甘くはないことを痛感しましたね。
それから、ミクシィの株コミュニティのオフ会にも参加して、さまざまな投資家さんに投資の考え方を教えてもらったり情報交換をするようになったのが、大きな転機になりました。
それまでも四季報を読んで業績や財務の分析などもしていましたが、プロと勝負しても勝てない。そこでIPO(新規上場)銘柄や新興市場を主戦場として、自分で勝率が高いと思う場面だけで勝負をするように徹底しました。
いくらテクニカル分析や板を勉強しても、ザラ場に手を出すと全然勝てなかったので、寄り付き直後や大引け前の自分が勝てそうなときだけ参加するようにしています。そのためか、私のトレード勝率は8割程度まで上がりました。
自分の投資スタイルを模索しながらも、2008年頃には年間収支で負けなくなりました。さらに2009年は年間688万円、2010年は1591万円、2011年は1380万円、2012年1266万円のプラスと、徐々に勝てるようになりました。
3年連続で年間1000万円以上の収益をあげてきたので、そろそろ勝負時だろうと思ってたところで、アベノミクス相場が訪れました。当時5000万円くらいの資金がありましたが、2013年には一気に3億650万円の利益をあげることができたんです。
このとき初めて1億円を突破して「億り人」の仲間入りしたのですが、そのときは自分でも気づかず、投資家仲間から教えてもらって知りました。
ここ数年の間も1年のうちに何度か大きな暴落が来ますが、そこで致命傷を負わずに生き延びているのは、2006年から株を始め、下がる相場で戦ってきたからかもしれません。暴落時には1回のミスが命取りになりがちですが、そうならないように、1銘柄に投資する金額は資産の1割までと、リスク管理をしています。
投資ではメンタルがとても大事。「勝っておごらず、負けて怯まず」の精神で、「含み損を基準にせず、ゼロベースで第三者目線で判断できるか」「感情的になって投げやりなトレードをしていないか」「恐怖のときでも冷静にエントリーできるか」などを重要視しています。
ただ、最近は判断力や力の衰えを感じています。7月から投資はいったんお休みしていて、今後は手がけている「脱出ゲーム」のイベント事業に力を入れていきたいと思っています。
※マネーポスト2016年秋号