今年のプロ野球は、終わってみたら大波乱の結果だった。開幕前、どれだけの専門家が広島と日ハムの優勝を予想していたか。『週刊ポスト』(3月25日・4月1日合併号)でお伝えしたプロ野球の評論家たちの予想も散々な状況だ。来季から同じパ・リーグの楽天で投手巡回コーチに就任する杉本正氏と、ヤクルト、巨人、阪神で4番を打った広澤克実氏による敗戦の弁を聞こう。
【杉本正氏の順位予想】
◆セ・リーグ
1位:巨人、2位:ヤクルト、3位:横浜、4位:阪神、5位:広島、6位:中日
◆パ・リーグ
1位:ソフトバンク、2位:日本ハム、3位:西武、4位:ロッテ、5位:オリックス、6位:楽天
すみません、完敗です。言い訳になりますが、セは昨年の戦い方を見て、打つ方には目をつぶって、チーム防御率が良かった巨人を優勝に予想した。最大の誤算はヤクルトの低迷。5位は考えられなかった。故障者続出の影響は大きい。
パは2位に11.5ゲーム差をつけ、オールスター前後にマジックが付く状況だったのに引っ繰り返されたのは、ソフトバンクの慢心としか言いようがない。敗因のひとつは、イ・デホが抜けて勝負強い長距離砲がいなくなったことがあるでしょう。(杉本氏)
【広澤克実氏の順位予想】
◆セ・リーグ
1位:阪神、2位:巨人、3位:ヤクルト、4位:中日、5位:広島、6位:横浜
◆パ・リーグ
1位:ソフトバンク、2位:日本ハム、3位:西武、4位:オリックス、5位:ロッテ、6位:楽天
開幕前に考えたのは、広島はメジャーに行ったマエケン(前田健太)の穴(15勝)を誰が埋めるか。結果、野村(祐輔)が埋めた(16勝)が、昨年の成績(5勝8敗)から考えても彼の活躍は予想できなかった。
来年ですか? 皆さんは広島が強いというが、昨年4位、一昨年3位のチーム。昨年優勝のヤクルトだって今年は5位。つまりドングリの背比べ。だから広島もBクラスに落ちる可能性もある。セは中日を除いた5球団に優勝のチャンスはありますね。
パの結果はソフトバンクの油断に尽きる。潜在能力の高い選手は多いし、控えの選手層も厚い。だが、常に磨いていないと勝負どころで錆びるということ。パは2強時代が続くと思う。(広澤氏)
撮影■山崎力夫
※週刊ポスト2016年11月4日号