セ・リーグでは25年ぶりに広島カープが優勝し、パ・リーグでは大谷翔平が二刀流で活躍して日本ハムが優勝。この2チームの優勝を予想した人は、野球ファンの間でも少ないかもしれない。『週刊ポスト』(3月25日・4月1日合併号)でお伝えしたプロ野球の評論家たちの予想も散々な結果だった。1985年の阪神優勝をストッパーとして支えた中西清起氏と、近鉄、中日、西武で活躍した金村義明氏による敗戦の弁を聞こう。
【中西清起氏の順位予想】
◆セ・リーグ
1位:ヤクルト、2位:阪神、3位:巨人、4位:横浜、5位:広島、6位:中日
◆パ・リーグ
1位:ソフトバンク、2位:オリックス、3位:日本ハム、4位:西武、5位:ロッテ、6位:楽天
セはまさかでしたね。広島OBしか(広島優勝について)当たっていない? そうでしょうね(笑)。ヤクルトの連覇を予想したが故障者が多すぎましたね。
阪神も4位で終わる戦力ではなかった。126通りと、日替わりといっていいぐらい色んなオーダーを組んだが、結局、首脳陣が選手の力量を判断できなかったということ。
来年の阪神? 補強次第でしょう。特にクローザー。今年の阪神は勝ちパターンが作れなかった。エース・藤浪(晋太郎)の復活は優勝に不可欠です。
パは大谷(翔平)に尽きる。ピッチャーとしてはダルビッシュやマー君(田中将大)より上をいっている。低目にスピードボールが決まる。攻略法は見当たらない。なんとかランナーを出して、足を絡めて、ワンチャンスをモノにするしかない。
もちろん打つ方も凄い。22本塁打は阪神のゴメスと同じやからね。そりゃスゴイわ!(中西氏)
【金村義明氏の順位予想】
◆セ・リーグ
1位:阪神、2位:ヤクルト、3位:巨人、4位:中日、5位:広島、6位:横浜
◆パ・リーグ
1位:西武、2位:ソフトバンク、3位:日本ハム、4位:オリックス、5位:楽天、6位:ロッテ
セの阪神は4本柱のうち、藤浪(晋太郎)、岩田(稔)、能見(篤史)が勝てず、開幕前に計算していた勝ち星がパァになってしまった。野手では鳥谷(敬)の大不振が大きい。打撃だけでなく、守備への影響も出た。
とはいえ、来年の阪神は楽しみしかない。北条史也や原口文仁など若手が出てきたし、補強次第では一気に優勝もありえるかな。そう思うしかない(苦笑)。
パの1位に予想した西武は、守備の破たんと投手陣の崩壊が予想外だった。日ハムは、レアードに「昨年の不調は何やったんや」と言いたい(笑い)。彼の嘘みたいな活躍と栗山采配が原動力です。リアル二刀流など、三原マジック、仰木マジックを彷彿させるような采配だった。(金村氏)
※週刊ポスト2016年11月4日号