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コーヒー 1日6杯までは健康への好影響期待できる

飲み方次第で健康に好影響も

 健康に効果があると言われるポリフェノール。赤ワインに含まれるポリフェノールの一種であるフラバノールは、血圧、心血管疾患の改善や、インスリン抵抗性の減少、認知機能の改善が期待されているが、他にも紅茶、緑茶、チョコレート、ブドウやリンゴなどの果物の皮に多く含まれる。

 緑茶に多く含まれるフラバノールの一種がカテキンだ。カテキンには血圧降下作用や血中コレステロールの調節作用、血糖値調節作用、抗酸化作用などがあるとされるが、近年、胃がんの主因ともいえるピロリ菌の抑制効果も期待されるようになった。がん患者の食事指導を行なっている西台クリニックの済陽高穂院長はこう指摘する。

「お茶の名産地である静岡県の大井川上流の上川根町では、町民は1日10杯以上お茶を飲みますが、胃がんの発症率が全国平均の半分程度です。カテキンがピロリ菌を殺すといわれています」

 しかし、その飲み方によっては「寿命を延ばす効果」が損なわれてしまう可能性があるという。

「ポイントは淹れ立てのお茶を飲むこと。1時間も放置しておくと、緑茶に入っているカテキンが酸化してしまうからです。ペットボトルや缶のお茶と、淹れ立てのお茶では効果が違う。カフェインも気にするほどではありません」(前出・済陽氏)

 カフェインといえばコーヒー。医学界ではカフェイン含有量の高さから、膀胱がんの発がん性を疑う研究がなされてきたが、最近では逆に寿命を延ばす効果があるとの研究結果も出ている。ハーバード大学で食と健康に関する研究をしていた米国ボストン在住の内科医師・大西睦子氏はこう指摘する。

「ここ数年の研究で、コーヒーが、2型糖尿病、パーキンソン病、肝臓がんや肝硬変を予防することが示唆されています。また、ハーバード公衆衛生大学院のロブ・ヴァン・ダム教授の研究では、コーヒーを飲まない人に比べて、定期的にコーヒーを飲む人は、心血管疾患による死亡のリスクが低くなるとし、一日6杯までは健康に好影響が期待できるとしています」

 コーヒーに関しては世界中で研究が続いている。

※週刊ポスト2016年11月4日号

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