「オシャレでセレブな港街だが、選民意識が鼻につく」──そう言われがちなのが神戸である。出身を聞かれれば「兵庫」ではなく「神戸」と答える神戸人の方言についても他府県民からこんな苦言が呈される。
「神戸市民は『なにしとう(なにしている)』のように語尾に『とう』がつく神戸弁を話すが、これを『関西弁』とひとまとめにされると怒る」(奈良県・48歳男性)
何かにつけて上から目線の神戸人を、大阪府民で、関西大学大学院の宮本勝浩教授はこう指摘する。
「『大阪は商人の街』『京都や奈良は古都』と認めつつも、神戸人は『他府県民よりも少し高級な所に住んでいる』という選民意識が強い」
その“セレブ意識”は「高級百貨店やお洒落なブティックもある上品な大阪のキタ(梅田駅東側周辺)には来ても、たこ焼き屋が並ぶ大阪の下町らしいミナミ(難波駅周辺)には足を踏み入れない」(同前)という行動にも表われているという。
大阪や京都だけではない。なんと、同じ神戸市民からも不満の声が寄せられた。
「おしゃれでセレブな『山手エリア』に住む人たちは“我らこそ神戸市民”だと自負しており、距離が離れている北区や西区は神戸市ではないと思っている」(神戸市北区・43歳男性)
神戸市は中央区、灘区、須磨区など9つの行政区に分かれている。中でも六甲山麓の高台、三宮駅~岡本駅周辺の高級住宅街は「山手エリア」と呼ばれる。