10月22日夕方6時過ぎ、ぐっと冷え込んだ秋風が吹くなか、その場所だけはムンとした熱気が立ちこめていた──。
SMAPの解散報道から2か月。笑福亭鶴瓶(64才)ら、メンバーとかかわりのある著名人や番組スタッフらから、存続への声が上がり始めている。そしてその声に応えるかのように、10月17日に放送された『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)では、香取慎吾(39才)が、草なぎ剛(42才)や木村拓哉(43才)がつけているのと同じデザイナーがデザインした星柄のバングルをつけて登場した。
そんななか行われたのがファンによるSMAPのデビュー25周年記念イベント『SMALL FAN PARTY』。都内の会場には、40~50代の女性をメインに、家族連れや、80代のシニアまで全国から2000人以上が駆けつけた。
本来、SMAPがデビューした9月9日が、彼らとファンにとっての記念日。今年は25周年ということもあって、かつてデビューイベントが行われた『西武園ゆうえんち』でファンミーティングが行われる予定だった。しかしその矢先に年内いっぱいの解散が発表された。
それゆえこの2か月、悲しみや悔しさから光を失っていたファンたちの思いがあふれ出すパーティーとなった。ちなみにパーティー会場は、日本音響家協会による「優良ホール100選」にも選ばれる、都内有数のコンサートホールで、席数は2000超。ファンの掛け声で出資者が集まり、SMAP不在にもかかわらず、会場はめいいっぱい埋め尽くされたという。
ファン歴10年、冒頭のパーティーに参加した杉浦茜さん(仮名、31才)が振りかえる。
「19時から始まったパーティーは、SMAPの映像も歌声も一切流さない徹底ぶりでした。アレンジを加えた楽曲にファンが歌うような形でしたから、みんなでカラオケをしているような感じで…全部で12~13曲歌いましたね。最初はしんみり系で始まって、後半戦は盛り上がる曲、そして最後はやっぱり『世界に一つだけの花』。隣の62才の女性は全曲歌えていて、やっぱりSMAPってすごいアイドルなんだなって思いました。最後に主催者のかたが出て来たときは、みんなで拍手喝采。2000人全員が大号泣でした」(杉浦さん)
21時過ぎ、パーティーが終了。ファンは興奮さめやらぬ様子で会場から出てきた。目を赤く腫らし、口々に、
「頑張っていきましょう」
「解散なんて信じてませんから!」
などと力強く手を取り合って再会を誓った。会場に足を運んでいた参加者のひとり、田中歩美さん(仮名、54才)も、「あきらめちゃいけない!」との気持ちを新たにしたという。
「いま、存続を願う署名活動『5☆SMILE PROJECT』も佳境なんです。これまではツイッターや新聞広告でファンの声を拡散していましたけど、今回は直筆で声を上げていこうという動きなんですよ。すでに2万人を超えました。私も家族や友人、職場の同僚にも頼んで書いてもらいました。みんな、すすんで書いてくれるのがうれしくって…。きっと私たちの声、届きますよね?」(田中さん)
※女性セブン2016年11月10日号