三谷幸喜脚本の巧みな伏線回収が冴え渡るNHK大河ドラマ『真田丸』だが、中には、「?」な展開も。業界屈指の遅筆で知られる三谷氏が焦って回収し忘れた(のかもしれない)話を探した。
●お通はなぜ出てきたの!?
第38話で登場した、謎の才女・お通(八木亜希子)。九度山に流された信繁(幸村。堺雅人)を助けたい信之(大泉洋)が、“家康に赦免を願うには、まず高台院(鈴木京香)にお目通しが必要。高台院と近しいらしいお通に接触だ!”との前フリで会いに行く。ところが、高台院との接触交渉もろくにないまま、第41話で幸村は無事、九度山を脱出してしまう。結局、お通は何だったの?
●「三成の耳打ち」への疑問
家康暗殺に失敗した石田三成(山本耕史)が加藤清正(新井浩文)にした耳打ち(第34話)も“煮え切らなかった”との声多数。清正が驚きの表情を浮かべたその内容は4週も引っ張られるが、結局、「秀頼様をお守りしろ」というあっさりしたもの。しかもそれが明かされた数分後に、清正も死んでしまう。
●謎の「幸村の老人メイク」
大坂城に入城する幸村は特殊メイクで白髪老人に扮した(第41話)。幸村自身が“徳川方を油断させるため”と解説をするが、その異様な姿に驚いたのは豊臣方の後藤又兵衛(哀川翔)くらいで、家康は警戒モードのままだった!
●昌幸の「置き土産」の処理
第39話で父・昌幸(草刈正雄)が亡くなる直前、幸村に託した兵法書。記号だらけで難解という紹介がされ、大坂の陣で活用されると思われるが、残り10話を切ってちゃんとこの伏線を回収できるのか。最後まで目が離せない。
※週刊ポスト2016年11月4日号