ライフ

寺子屋と慕われる横浜の角打ち 難読漢字や歴史で盛り上がる

元々は倉庫だった場所を改築した味のある店内で角打ち

 JR横浜駅から出ている相模鉄道(相鉄線)に乗って2駅目が西横浜。この駅の南側に広がる、中央、浜松町、藤棚町といった町々には、昭和の名残りをとどめる商店街が5つあり、手をつなぎあうように並んでいる。

 そのうちのひとつ、藤棚一番街を歩いて行くと、買い物客の賑わいから一歩離れるように曲がった路地の向こうに、『福田屋本店』の灯りが見えて来る。

「大正2年の創業で、ずっと商店街の中で営業していたのですが、5年前にここに移りました。角打ちは昔からやっていまして、30年50年と通ってくれている方もいらっしゃるし、人づてに聞いたと言って、都内や九州といった遠方から来てくれるお客さんも珍しくないですね」

 と、3代目社長の関水祐司さん(73歳)。

「その日の仕事が終わって、自分にお疲れさんという気持ちで、週に3回はここに飲みに来る」という50代の建具職人氏は、

「前の店は昔ながらの古い酒屋で飲んでいるって雰囲気があったんだけど、こっちは、一見、それに比べるとえらく素っ気ない建物に見えるよね。表に酒屋らしい看板はかかってなくて、ガラス戸に屋号を書いた紙が貼ってあるだけ。

 店の中の角打ちスペースには無造作にいろんな酒が積んであるし、壁はコンクリート打ち放し。まるで酒屋の倉庫で飲んでる気分さ。しかしね、こういう場所で飲む酒、これがまたうまいんだよな。酒飲みの都合のいい言い訳かな(笑い)」

 そんな倉庫のような店内で常連客を迎えてくれるのは、祐司社長と、奥さんの順子さん。そして4代目として店の柱となっている長男の康裕さん(46歳)。

「実をいうと、ここは、まさしくずっと倉庫として使っていたビルなんです。元々の藤棚商店街にあった店から移転して、この倉庫を店舗にするための改装工事をしたのですが、倉庫っぽい部分があちこちに残ったんですよ。でも、これはこれで味があっていいと皆さん喜んでくれます」(康裕さん)

関連記事

トピックス

異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(写真は2019年)
《体調不良で「薬コンプリート!」投稿》広末涼子の不審な動きに「服用中のクスリが影響した可能性は…」専門家が解説
NEWSポストセブン
いい意味での“普通さ”が魅力の今田美桜 (C)NHK 連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合) 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
朝ドラ『あんぱん』ヒロイン役の今田美桜、母校の校長が明かした「オーラなき中学時代」 同郷の橋本環奈、浜崎あゆみ、酒井法子と異なる“普通さ”
週刊ポスト
現役時代とは大違いの状況に(左から元鶴竜、元白鵬/時事通信フォト)
元鶴竜、“先達の親方衆の扱いが丁寧”と協会内の評価が急上昇、一方の元白鵬は部屋閉鎖…モンゴル出身横綱、引退後の逆転劇
週刊ポスト
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”川崎春花がついに「5週連続欠場」ツアーの広報担当「ブライトナー業務」の去就にも注目集まる「就任インタビュー撮影には不参加」
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
広末涼子、「勾留が長引く」可能性 取り調べ中に興奮状態で「自傷ほのめかす発言があった」との情報も 捜査関係者は「釈放でリスクも」と懸念
NEWSポストセブン
筑波大の入学式に臨まれる悠仁さま(時事通信フォト)
【筑波大入学の悠仁さま】通学ルートの高速道路下に「八潮市道路陥没」下水道管が通っていた 専門家の見解は
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
《事故前にも奇行》広末涼子容疑者、同乗した“自称マネージャー”が運転しなかった謎…奈良からおよそ約450キロの道のり「撮影の帰り道だった可能性」
NEWSポストセブン
長浜簡易裁判所。書記官はなぜ遺体を遺棄したのか
【冷凍女性死体遺棄】「怖い雰囲気で近寄りがたくて…」容疑者3人の“薄気味悪い共通点”と“生活感が残った民家”「奥さんはずっと見ていない気がする」【滋賀・大津市】
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン